パキスタンPWF/JILAF労使関係・労働政策セミナー

パキスタン労使関係・労働政策(IR)セミナーを開催

集合写真

 9月14日~15日、パキスタンのイスラマバード市にて、パキスタン労働者連盟(PWF)の共催で労使関係・労働政策セミナーを開催しました。セミナーには、PWF傘下組合役員約60人(うち女性11名)が参加しました。

開会式では、アワンPWF事務局長(ILO労働側理事)からJILAFおよび日本国政府の継続的協力への感謝が述べられ、JILAFとの連携強化を求める発言がありました。続いて、JILAF南雲理事長からは、国際競争の中で労働の価値向上やそのための人財育成が重要で、それらを通じて社会経済を発展させるためには、職場をベースにした労使関係の健全化と労使関係の強化が必要なことを伝えました。その上で、児童労働・強制労働、労働者に不利な労働法への対処といった課題改善に向け、このセミナーを有効に活用して欲しいと挨拶しました。

開会式に続いて、JILAF辻直浩グループリーダーが日本の建設的労使関係について概説し、労使協議制を例に、話し合いを重視した労使の相互理解、生産性向上と事業課題への取組みの重要性、現場の労使による主体的な雇用確保・安定への努力などを説明しました。これに対し活発な質問が出され、南雲理事長が丁寧な回答を行い、理解と共感を得ました。

 1日目午後は、社会保障についての議論を行った後、パキスタン政府代表としてアシフ・シェイク次官補(Additional Secretary)から、労働省での勤務経験に基いて、教育の重要性や労働者が声を上げる必要性が訴えられました。続いて、1日目の終わりには、辻グループリーダーから、雇用保険を含めた日本の社会保障制度についての簡単な説明を行いました。

2日目は、ギルPWFエキスパートからパキスタンで比率が高い農業・家内労働の現状について、いずれも低賃金・長時間労働・不安定な雇用で、組織化に壁があり社会保障対象からも外れているという現状について発表がありました。また、先行して成功しているシンド州での農水産業者・パンジャブ州での家内労働者の組織化を例に、新法だけでなく既存法の適用で対策を進めるべきとの提案が出されました。
続いて、ガユールPWFエキスパートから第18次パキスタン憲法改定による農業・家内労働への影響についての話がありました。州によって取り組み方や解決方法も異なっており、教育やより良い法制度が必要で、また、立法後には立法内容を素早く実現することが必要だとの言及がありました。
閉会式では、アワン事務局長からの総括的なコメントに続き、南雲理事長は、初のパキスタン訪問で積極的で熱意ある議論を聞けたことが有意義だったと述べました。その上で、参加者の今後の役割として、人を育成することの重要性や、社会に信頼され、国民からも信頼され、国が労組の意見を聞かざるを得なくなるような社会性のある存在になることを挙げました。そして、連合のように、高校生・大学生に労働関連法を教えることや、困っている組合員の声を聴くことも大切であり、今後、皆が健康で、組合活動が活発になりパキスタンの発展につながるように願うとの言葉を贈りました。なお、今後はより若い招へいプログラム参加者の参画を促し、世代交代も含めて組織の中での知識や経験の水平展開をしてほしい旨の要請も行いました。
パキスタンIRセミナーの今後について、ラホールなど他都市での開催も視野に入れ、周辺組織も参加対象としてほしい旨、参加者から要望がありました。今回のセミナーには過去の招へいプログラム参加経験者が11名参加しており、いずれも各所属組織で中核的な役割を果たしていることが確認できました。

日程

月日内容
09月14日セミナー1日目
09月15日セミナー2日目

参加者の様子

アワン事務局長開会挨拶

南雲理事長開会挨拶

辻グループリーダー講義

参加者質問

参加者質問

セミナー全景