2018年度労使紛争未然防止セミナー

各国報告の様子

8月8日、「建設的な労使関係の確立で、社会経済の発展と労働者生活の安定を」をテーマに、第6回「労使紛争未然防止セミナー」を開催しました。今回は、経済発展の著しいカンボジアの労働組合関係者、ミャンマーの労働組合関係者及び使用者団体関係者、両国に進出している日系企業の関係者をお招きし、労働組合、企業、行政の関係者や研究者など、計65人が参加しました。

JILAF南雲理事長の主催者あいさつの後、カンボジア及びミャンマー両国の招へい者から、両国の労働情勢も含めた労使紛争の現状と、労使紛争の未然防止ための取組みについて報告を受けました。

カンボジアからは、特徴的な労使紛争の事例が紹介され、労働法の適用により労使紛争が減少傾向にあるという報告がありました。ミャンマーの労働組合からは、使用者側が労働者の権利を認めないことが紛争の原因になるという事例が紹介されるとともに、労働法、最低賃金制度、労働契約等に関する労働者の教育、進出企業との対話や労使相互協力協定の締結により、労働組合として労使紛争の未然防止に取り組んでいるという報告がありました。ミャンマーの使用者側からは、労使双方の法律の理解不足や、法律そのものが明瞭さを欠き、労使間で解釈に相違が生まれることを原因として労使紛争が発生すること等が報告されました。そして、紛争の未然防止のために、使用者側の法律知識の向上、政労使による社会対話の促進、政府及び議会に対する労働法や労働政策に関する助言などを行っていることが紹介されました。

両国に進出している日系企業からは、建設的な労使関係を構築するための理念および基本方針に加え、具体的な事例として、「グローバル枠組み協定」の締結、進出準備段階における幹部・従業員への労使関係ワークショップの開催等、労使紛争の未然防止のための示唆に富んだ報告がありました。

それぞれの報告が終了した後、神戸大学大学院(国際協力研究科)斉藤喜久准教授のコーディネートで、参加者との意見交換を行いました。まず、斉藤准教授の提案で、労使紛争の原因・目的・手段・収束の切り口で、両国の労使紛争の現状を浮き彫りにしました。また、会場の参加者からは質問とともに、ミャンマーの労働法制に対する補足的な報告、産業別の建設的労使関係を構築するための方針いついての報告もあり、大変活発な意見交換がなされました。

最後に、JILAF塩田常務理事から、労使紛争未然防止にむけた取組の要点や協調的労使関係が広がりを見せている事例について紹介し、JILAFが今回の取り組みに加えて、アジア労使関係調査報告書の刊行や先進国シンポジウム開催等を通じて、建設的な労使関係構築に今後も貢献していくこと、JILAFへの協力・支援を訴えてまとめとし、セミナーは終了しました。