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No.493(2018/2/20)
カナダの労働事情

【UNIFORがカナダ労働会議を脱退】

 1月16日、カナダ最大の民間労組UNIFOR(31万人)がナショナル・センターのカナダ労働会議(CLC 330万人)を脱退すると表明した。
声明文は「UNIFOR は米国本拠の労働組合が組合員の労組選択の自由を抑圧している状況に警鐘を鳴らしてきた。しかしCLCが耳を貸さない現状にあって、UNIFOR執行委員会は全会一致でCLC脱退を決議した。但し各地方における各労組との協力は今後とも継続する」と述べている。

 カナダ労働運動は1956年以降、建築労組の一時脱退を除いては、CLCに統一されてきた。UNIFORはUAW(全米自動車労組)を脱退したCAW(カナダ自動車労組)とCEP(通信・エネルギー・紙労組)が2013年に合併した労働組合だが、ナショナリズム的傾向が強い。
 米国本拠の国際労組への組合員争奪も労組選択の自由のためとしており、CLC執行部とも衝突してきた。
 そのUNIFORも2014年のCLC会長選挙では、当時のケン・ジョーゲッティ会長に対抗したハッサン・ユセフ現会長を支援して勝利し、ジェリー・ディアスUNIFOR会長が箒を手にして「CLCが一つ清掃出来た」と語る時期もあった。

 UNIFOR は今回の声明直後に、UNITE-HERE (国際縫製・繊維・ホテル・レストラン労組)のトロント・ローカルで8,000名のホテル・レストラン組合員の争奪を開始し、成功裏に活動を進めているが、そこには本部指令に反対するローカル執行部の姿がある。
 かくして、国際労組の側は防衛の構えを強くしているが、カナダ労組は静観の空気が強い。声明の中で協力を継続するとした地方段階では、脱退の影響を極力抑える努力が続けられているが、UNIFOR主導の地方でそのリードが続くかどうかは見究められていない。

 他方、UNIFOR 内部からは「脱退について組合員には何の相談も無い」との批判がある。また「労働運動にはより強い国際協力が必要だ。ナショナリズムに訴えた運動は危険だ。米国で"労働の権利法"が労働組合を圧迫し、極右勢力が台頭する中で、労働運動は国境を越えて立ち向かわねばならない。上部の官僚的決定ではなく、労働組合を分裂させまいとする一般組合員の声で執行部に再考を迫らねばならない。労組間の組織争いに貴重な資源を浪費するのではなく、未組織労働者に力を注ぐべきだ。最低賃金$15への大きな課題もある。労働運動の分裂は経営側の反撃を容易にするだけだ」との強い指摘もある。

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