JILAFタイ事務所だより(6,7月)

I.タイ情勢

1.タイ不法就労罰則強化で移民労働者大挙出国

 外国人の不法就労に対する罰則を大幅に強化した外国人就労管理法が6月23日に施行されたことを受け、不法就労していたとみられるミャンマー人、カンボジア人らのタイからの出国が急増。新しい外国人就労管理法では、外国人を労働許可証なしで雇用した使用者への罰則が不法就労者1人につき40万~80万バーツ、労働許可証なしに就労した外国人への罰則が罰金2000~10万バーツおよび5年以下の禁固刑になるなど、罰則が大幅に強化された。
 一方、プラユット首相は7月4日、自身に事実上の全権を与える暫定憲法第44条を発動し、6月23日に施行された外国人就労管理法のうち、不法就労の罰則に関する条項の施行を年末まで凍結した。これは、6月23日の同法施行以降、不法就労していたミャンマー人、カンボジア人が大挙してタイから出国し、一部の産業で労働力不足が惹起しているため(7月14日時点、カンボジア人だけで8000人強が出国)。
 7月14日現在、タイ飲食業協会は、同法の規制強化で2300件以上の飲食店が廃業の危機にあるとした。現在タイの飲食店の約70%が周辺国(ミャンマー、ラオス、カンボジア)からの労働者を雇用している。労働力不足は、飲食業界にとどまらず、製造業、建設業でも既に大きな問題となっている。

(ニュースクリップ7月2日、4日、プノンペンポスト7月14日グローバルニュースアジア7月21日より抜粋他)

Ⅱ.東南アジア、南アジア情勢

1.労働相談ホットラインの開設(ラオス 7月14日)

  1. 7月14日、ラオス労働組合連盟(LFTU)は、誰でも労働条件等に関して、無料相談できる電話窓口(電話番号:1512)を開設した。開設時間は、平日の8時から16時までとなっている。
  2. LFTUでは、インフォーマルセクター労働者を含むすべての労働者に同サービスを利用してもらうよう、広報活動を全国で展開中。

(LFTUよりヒアリング他)

2.タイから帰郷した労働者支援センター開設(ラオス 7月15日)

  1. ラオス政府は、タイ政府による外国人就労管理法強化とそれに伴う移民労働者大量出国の事態を受け、タイで就労するラオス人移民労働者を支援するためのセンターを7月中に開設すると発表。
  2. 現在、タイには約71,000人の仮IDカードを保持したラオス人労働者(合法)がいるとされている。ラオス政府は、こういった労働者に公式なIDカード(パスポート)を労働者支援センターで発給する予定。また、不法労働者に対しても、合法な就労を促すため、公式なIDを発給予定。

(Vientiane Times 7月15日より抜粋他)

3.最低賃金交渉開始(ベトナム 7月19日)

  1. ベトナムでは、2018年の地域別最低賃金の引き上げをめぐる交渉がスタート。労働者側は前年比で13.3%を求めている。これに対して企業側は、据え置きか2〜5%を主張している。
  2. 現ベトナム労働総同盟(VGCL)は、①景気回復の兆しがあること、②失業率の低下(2016年:2.14%→2017年:2.09%)、③企業活動の活発化――等を根拠とし、13.3%の最低賃金引き上げを要求。
    一方、ベトナム商工会議所などの企業側は、環太平洋戦略的経済連携協定(TTP)の先行きの不透明さなどを理由に、2017年と同水準、もしくは引き上げ幅を2~5%のみと主張している。
    なお、2017年は、前年比引き上げ幅が7.3%(VGCL当初要求は、11%)であった。2018年最低賃金決定においても、交渉が難航する見込み。

(Sunkei Biz 7月19日より抜粋他)