JILAFタイ事務所だより(7月)

タイ情勢

ラオス人労働者の処遇改善 覚書を締結

  •  タイ、ラオス両国政府(シリチャイ・タイ労働相およびカムペン・ラオス労働社会福祉相)は、バンコクにて7月6日、労働分野での協力にかかる覚書に署名・調印した。同覚書には、タイ国内で就労するライス人労働者の、[1]教育改善、[2]職能向上、[3]福利厚生の充実――等が記載されている。
     なお、タイ労働省によれば、同省に登録されているラオス人労働者は約13万人。うち、178人が熟練労働者に認定。また、漁業や水産加工産業に従事するラオス人労働者は2,742人と発表。

(NNA 7月8日より抜粋)

人身取引(人身売買)に関する米国政府報告書 タイは最低階層から脱却

  •  米国務省による世界の人身取引にかかる報告書の中で、タイは2014年、15年の2年に亘り最低ランクの第3階層に位置づけられていたが、2016年報告書では、「第2階層:監視対象国」と位置付けられた。
     その要因としては、[1]人身取引対策法(2008年)の改正、[2]裁判所・検察庁内の人身取引対策専門部署の設置、[3]人身取引仲介業者との癒着が疑われる政府関係者の取り締まり徹底、[4]違法漁業の取り締まり強化、[5]漁船の労働環境改善の取り組み――等があげられる。
  •  なお、同報告書では、タイには300~400万人の移民労働者がおり、一部は、強制的に漁業・農業・製造業(工場)、家事労働、物乞いなどに従事させられているとの記載あり。

(JICA-CM4TIP通信 7月11日より抜粋)

東南アジア、南アジア情勢(6月)

低所得層の実質賃金低下

  •  インドネシアでは、インフレ率が名目賃金を上回るペースで上昇しているため、実質賃金が低下していることが課題となっている。インドネシア中央統計局は、建設労働者の2016年6月の名目賃金(日給)が8万2028ルピア(約661円)と発表した。同年5月の8万1677ルピアから0.43%増加したものの、インフレを加味した実質賃金は、前月比の0.23%減となった。
     建設労働者の他、農業従事者といったインフォーマルセクター労働者の実質賃金も下がっており、労働組合は、最低賃金の引き上げを要求している。インドネシアでは、総労働人口1億1800万人のうち、約8割がインフォーマルセクター労働者と言われている。

(NNA アジア 7月19日より抜粋)

児童の労働を一部認める法案の可決

  •  インド下院は、家業などに限り児童の労働を認める新しい労働法案を可決した。可決された法案は、14歳未満のすべての子どもの労働を原則禁止しているが、家業や娯楽産業等に限定して労働を認めるとした。
     インド政府は、伝統的な技術の習得が必要な子どももおり、家族も働き手を必要としているとし、放課後や休暇中に一部の労働を可能にする新法案の可決を支持した。
     統計によれば、インドには、1000万人以上の児童が労働に従事しているとされている。
     法案可決を受け、ユニセフは、「家業の手伝いを合法化したことは貧困家庭の子どもに一層不利益な状況をもたらすと」と非難し、「子どもの保護と発達に対しても影響を及ぼす可能性があり、深刻な懸念だ」との声明を発表した。

(BBC他 7月27日)

最低賃金、上昇率最低

  •  ベトナムの労使で構成する国家賃金評議会は、2017年の最低賃金を2016年比7.3%引き上げ、375万ドン/月(約1万6500円)にすることを決定。1997年に最低賃金制度が導入されて以降、上昇率は最も低い。なお、2015年~2016年の上昇率は、12.4%。
     ベトナム労働総同盟(VGCL)は、2017年の最低賃金を平均10~11%引き上げるよう提案したものの、使用者側との認識が合わず、7.3%という結論に至った模様(新しい最低賃金は、2017年1月より適用)。
     その背景には、環太平洋経済連携協定(TPP)などの自由貿易協定に伴い、ベトナムの安い労働力を期待した外資進出が加速していることから、過度な賃金上昇を避ける傾向・作用が影響。

(日本経済新聞、日刊ベトナムニュース 7月31日より抜粋)