2001年 トルコの労働事情

2001年10月24日 講演録

トルコ労働組合連盟(TURK-IS)
ムスタファ オズタシュクン

トルコ石油化学ゴム産業労働組合 委員長

 

国内の状況

 トルコの面積は780万平方キロメートルです。人口は6,700万人、人口増加率は2.2%、平均年齢は67歳です。退職年齢は女性が58歳、男性は60歳です。年金は平均月150ドルです。人口の40%が都市・町以外に生活しています。労働力人口は1,900万人で、失業率は8%です。8%というのは公式に発表された数字です。非公式ですが、労働組合としては実際には14%に上ると推計しています。失業保険に関する法律は去年整えられて、近々それが実施されることになっています。
 労働組合の組織率は12%ですが、公務員を入れると15%です。1週間の労働時間は45時間です。トルコの国内総生産は200億ドルで、1人当たり国民所得は、1999年は年3,200ドルでした。予測では、2001年度には2,600ドルに下がると考えられています。年間のインフレ率は、2000年は45%でしたが、2001年度には65~70%になると予測されています。
 トルコでは、1980年までは半官半民のような組織が多い状況でしたが、1983年に市場が自由化されました。トルコの経済成長率は2~3%でしたが、2001年度にはおそらくマイナス11%になると予想されています。
 トルコは大変な経済危機の中にあります。2001年2月に30%の通貨切り下げが行われました。その後、USドルは約130%価値が下がったというのが現状です。このような大きな危機に遭遇した最も大きな理由は、国がお金を借りて、それを生産によって返すのではなくて、ほかからお金を借りてきて返すというような悪循環が続いたためです。借りたお金に対する利息も大変な金額になり、大きな危機を迎える第一の原因だったと思います。国内の負債額は700億ドル、対外負債額は1,113億ドルです。そして、この負債の利息を返すための割合が収入の約110%に相当します。
 今回の経済危機に際し、1年間で90万人の労働者が失業しました。1万以上の中小企業が倒産しました。この経済的な危機を回避するために、IMFから18回目のプログラムが提示されました。IMFの示したプログラムの基本的な部分は、負債を返すことです。現在、負債を返すための構造的な改革が行われようとしています。幾つかの例としては、国営企業を少なくすること。そして民営化を進め、農業生産から国家が完全に手を引くこと。社会保障のさまざまな組織に対して、国が完全に手を引くこと。そして民間の保険会社にそれをゆだねること。銀行の改革。労働組合は、このようなIMFのプログラムへの反対運動を続けています。そして、労働組合や民主的な活動をしている15のさまざまな組織から成るグループが、一丸となってIMFのプログラムではなく、国内的な経済政策に合った案を提示していく話し合いを進めています。

TURK-ISの活動

 トルコでは、国家公務員の組合があります。労働者は産別組織の労働組合に入っています。産別組織は28、組合員数は250万人です。最も大きなナショナルセンターはTURK-ISで、組合員数は180万人です。ICFTUに加盟しています。トルコには、TURK-ISのほかに2つのナショナルセンターが存在しています。TURK-ISには33の産別組合があり、その1つは私の属しているトルコ石油産業組合です。労働協約は2年に1度結ばれて、その年のインフレ率に基づいて賃金引き上げを要求しています。
 現在のトルコにおける労働組合の最も大きな課題は、民主主義の確立、IMFのプログラムに対する反対運動、急速に進む民営化の抑制、失業対策、再就職先の斡旋、失業を防ぐ法律及び労働保障に関する法律の制定、高いインフレ率に見合う賃金の支払い、組織率を高めること、パートタイムで働く状況をできるだけ抑えること、不正行為をできるだけ防ぐこと。社会保障に関して国家の援助を継続させること、政治的な安定をできるだけ早く確立することなどであります。
 資本家たちがグローバル化を進めているのが現状ですが、これに対して労働組合もグローバル化を進め、一丸となって闘っていく姿勢がこれから大切なのではないかと感じています。平和、公正、平等という3つの概念は絶対忘れてはならない基本的なもので、平和、自由というスローガンのもとに、世界中の労働者がこれからもっと団結をしなくてはならないのではないかと考えています。
 私の属している石油産業組合に関して簡単に紹介します。創設は1950年です。産業としては、石油、化学、ゴムです。本部はイスタンブールにあり、支部は23あります。組合員数は6万5,000人です。石油産業組合は、その創設以来、トルコ特有の経済的な事情に対して努力するとともに、民主的な労働運動を実現するように努めてきました。トルコの国営企業の民営化に関しては、強く反対してきました。我々の組合はTURK-ISに加盟していて、同時にヨーロッパの金属、化学、エネルギー産業の組合組織であるEMCEFのメンバーです。国際化学エネルギー鉱山一般労連(ICEM)にも加盟しています。