1998年 トルコの労働事情

1998年7月15日 講演録

地方自治体労働者組合
シュクル・エロル

 

ナショナルセンターの構造

 TURK-ISの執行部は5人から形成されており、TURK-ISの下には33の産別組織があります。トルコにおいては労働者、労働組合に属している者たち、いずれもが、会社側、雇用者側の人間と話し合うということはまずありません。33の産別組織の下に職場での組織があり、ここが代表者を選び、そしてまた上部団体に委員を出すという形で役員の選出を行っています。一番下の組織で選ばれた労働組合員が次の産別の役員に、選挙で選出されます。また、この33の産別組織は、さらに上部組織のTURK-ISに代表を送るために、そこでまた選挙を行います。

主な活動

 今、我々労働組合の活動の主な問題は、組織化の問題と職場訓練、そして、労働組合の運動を人々の間にさらに広めていくために情報を広く伝達すること、この3つの点に力を入れています。我々のナショナルセンターのTURK-ISは、トルコ共和国の行政、経済の諸問題つまり、労働組合員、及び、特に地方の住民たちの保護に非常に強い関心を払っています。それから、産別組織は団体協約の成立、それから、組織化に重点を置いて行動しています。特に支部長以下の組織、一般の労働者に至るラインを強力にすることを常に心がけています。

労働法改正の取り組み

 トルコの労働法制の中には労働組合結成法、団体協約法、ストライキ、ロックアウトに関する法律、社会保障に関する法律、雇用と労働者の生活安定にかかわる法律、このようなものがあります。これらの労働法の中には、労働者にとって非常に不利なものも含まれており、我々は労働組合としてそういった不利な法律を撤廃しようという運動を続けています。当然のことながら、この不利な条件の撤廃に関しては、初めは民主的な手段をとって話し合いの場を持ちますが、それでもどうしても不可能な場合には、次の手段としてミーティングであるとか、デモ行進も行います。
 例えばどんな項目を撤廃させたいかというと、1つの例として、今の労働法では、雇用者側は労働者を全く突然、通達することなく解雇することができます。もちろんその場合に補償金は支払われますが、あらかじめ伝達というものが行われない、急にその仕事からほうり出されてしまうというようなことが可能であり、我々は雇用の安定を図る項目を追加したいと思っています。
 それから、労働組合法には、労働組合に属している者は国会議員に出馬することができないという条件がありますが、'我々はこの項目を撤廃したいと考えています。
 それから、現在、トルコではまだストライキが行われている仕事場がありますが、できるだけこれを早急に解決したいと考えています。

求められるインフレ対策

 トルコでは失業率が12%と大変高い数値を示しています。2番目はインフレーションですが、10年間、非常に高いインフレが続いていまして、これを早急に解決しなければならないと考えています。というのは、インフレが非常に高いので、賃金の値上げがどうしても追いつかない。そこで、団体協議の場において、いつも雇用者側と組合側は非常に激しい格闘をしなければなりません。
 私の最近の状況から1つ例を挙げたいと思いますが、15日ほど前にイスタンブールの自治労で団体協議が行われて、大体4万人の組合員がいますが、賃金値上げを要求しました。皆さんはこの数値に大変驚かれるかもしれませんが、300%で妥協しました。

民営化で組織率が低下

 トルコにおいても、全世界で起こっているように民営化の問題がまだ続いています。この民営化で国営企業の幾つかが民間に売却されましたが、非常に高い利益を出しているところから売られており、まだ鉄道は民営化していません。民間に売却されたのは、通信関係の公共事業、石油関係の公共事業で、いずれも非常に高い利益を出している団体でした。この民営化の問題というのは、もうもとに戻ることができない、民営化に反対という状況はもちろんなく、現在は、TURK-ISとして、いかにして労働者を守りながら民営化するかという課題があり、民主的な方法で、失業者を出さずにこの民営化というものが速やかに進むようにいろいろ考案しています。
 それから、この民営化にかかわり、今、TURK-ISの抱えている大きな問題の1つは、組織率の低下です。今、TURK-ISは、世界のさまざまな国の労働組合と協調するような形で労働運動を行っていますが、ソビエト連邦の崩壊の後に、中央アジアに起こったさまざまなトルコ(系)諸共和国との関係も引き続いてます。