2008年 ベネズエラの労働事情

2008年2月6日 講演録

ベネズエラ労働総同盟(CTV)
クリスティーナ ヴィネルバ オルテガ ヴィジャサナ(ミネルバ)

働者組合アプレ州委員長兼CTV女性・家族局

 

 ベネズエラ・ボリバル共和国の人口は2,750万人、労働人口は1,250万人であり、政府統計による失業率は6.3%であるが、現役労働者の57.6%は正規雇用が保証されておらず、社会保障の最低条件にも満たない不完全就業者である。賃金は基本的な食生活に必要な金額を下回っており、その大半は、現行の労働法によると「未所属労働者」もしくは請負労働者といわれる範疇に入る。
 このような社会労働事情の結果として、ベネズエラの労働運動は大きな課題に直面している。その背景として上げられるのは、[1]世界で支配的なグローバル化の現実に沿った雇用を目指す職業訓練政策の欠如。[2]労働形態の柔軟化。[3]司法と政治が不安定なことによる、大規模企業グループの大陸内他国への流出。[4]製造業の国外流出。などである。
 この結果、労働運動は好機を迎えており、われわれには次のような重要課題を担う義務がある。[1]ベネズエラの現状の改善を自らの課題とするには、労働運動指導者が新たな労使関係の形が存在することを受け入れることが必要であり、効率と能力で立ち向かえるよう組織化された労働者階級の自覚を促し、訓練を施さなければならない。[2]経営者、労働者、国家の間で提起される法規が遵守されるよう主張する。現在ベネズエラには3者協調委員会と呼ばれる機関は存在しない。
 多国籍企業の目立つわが国の労働者階級の状況に関しては、安定した雇用の不足から、そういった外国企業グループとの労働契約でも十分だと人々が考えているという、本当に矛盾した状況が見られる。個人的な期待にそぐわなくても、最大の問題は「仕事を得ること」だからである。わが国の直面する景気の後退が深刻な現在はなおさらのことである。
 こうした中で、ベネズエラの労働運動は、ベネズエラ・ボリバル共和国の憲法および現行労働法規に表されている賃金要求がせめて尊重されるよう、又条件が良い場合は経営者側と協定を結び、労働者階級に有利に働くような社会的条項を盛り込んだ協定や集団労働協約を勝ち取ることが出来るよう、多大な努力を払っている。