2007年 ベネズエラの労働事情

2007年2月7日 講演録

ベネズエラ労働総同盟(CTV)
アンドレア デル カルメン パラ ソト

CTVグアリコ州労働組合会長

 

 ベネズエラの労働運動は、政治の状況の影響を強く受けざるを得ない。現在の政権は20世紀の社会主義政治を実践すると言い、共産主義の特徴を持っている。そして自由で民主的な労働運動の組織の存在を脅かしている。
 まずは労働組合が並行した状態で存在する形に対する自由の侵害が起こった。CTVだけでなく、政府を支持しているUNTといった組織に対しても、われわれへと同じように、解雇されたり、警察によって拘束されたり、差別や迫害、政治的な報復などが組合員に対して行われている。
 2番目の問題として、人権侵害の問題がある。労働者の仕事をする権利が否定され、団体協約も拒否されている。また、団体協約はその期限が切れてから8年間、いまだに署名などがなされていない。
 それから社会保険の給付の遅延なども起きている。ベネズエラ・ボリバエル共和国憲法では、社会保険の給付には、即時全額の支払いが定められており、守られなかった場合には延滞利息が生まれるとしている。また、政治的な報復によって大量解雇された2万人以上の石油関係労働者がいるが、彼らはいまだに社会保険の給付を受けられずにいる。また官庁や州、市町村の役所でも、財政赤字を理由に給付の未払いが起こっている。
 次に、政府側による社会対話の拒否という問題がある。ベネズエラの最低賃金を決めるための3者構成委員会の設立を政府は拒否している。政府が、労組と経営者側の意見を聞かずに、共和国大統領令を以って決定してしまったのである。
 それから、表現の自由も侵害されている。現在、ベネズエラで最初に設立された国営テレビ局(ラジオ・カラカス・テレビジョン)の営業許可を更新しないという宣伝が行われている。これによって2,500人以上の従業員が不安をかきたてられている。
 このような状況の中で、ベネズエラの労働運動にとっては、何よりも他の国々の仲間との結束、連帯の強化が重要であると強く考えている。日本の皆さんにも一層の連帯を要請するものである。われわれCTVが今の政府に提案していることは、労使双方が参加する労働経済社会審議会の設立である。