2005年 ベネズエラの労働事情

2005年2月16日 講演録

ベネズエラ労働総同盟(CTV)
エクトル フリオ コントレラス ビルゲス

銀行関連労働組合連盟 組織局長兼CTV執行部組織担当

 

組合の活動

 私は金融部門を代表してまいりました。私は2003年半ばからCTVの組織部の一員として活動しています。2003年半ばというのは最後の労働者大会が行われたときで、そのときに私は組織部の一員として働くという栄誉を得ました。
 3つの部門の活動を同時に行っていますので、それを簡単に説明したいと思います。まずは、私の直接所属するベース労働組合ですが、アストラバンカララという銀行労働組合です。ここでは組織担当書記をしておりまして、かつては2つの任期を続けて書記長をしていたこともありました。ここでの活動は通常の労働組合活動で、月に1度組合員が集まり、そこでさまざまなテーマについて議論をし、そしてアクションプランを練るというものです。
 私たちの職場は、非常に広く分散されています。1つの職場に8人から10人くらいの労働者がおります。それよりも多い場合もありますが、全国津々浦々に分散している職場です。こういった状況から私どもの活動、戦略を立てていかないといけないのですが、できるだけ直接労働者の人たちと対話をするように心がけています。電話、もしくは電子メールなどでのやりとりもありますが、年に数回はさまざまな地方へ訪れる活動をして、地方の労働者の人たちと直接顔を合わせ、そこの実情を知るように心がけています。
 また、2カ月に1回、必要とあれば1カ月に1回になりますが、さまざまな会社の人事担当部門の人たちとの話し合いをします。また、さまざまな労働関係の組織、また労働裁判所などを訪れて懸案事項のフォローアップなども行っています。例えば、解雇に関する案件などについても追跡調査を行っています。また、ほかの友好的な組織とのコンタクトもしています。というのは、ベネズエラの金融機関の労働組合というのは分散化されているからです。これがざっと説明申し上げました活動ですが、このほかに集団交渉などへの参加、それからさまざまな協議などへの参加もあります。特に衛生、それから安全に関する活動、それから制度についての追跡調査なども行っています。
 そして、今度は連合体レベルのお話をしたいと思います。銀行労働者連合でも私は組織担当の書記でして、そこでの活動としてはナショナルセンターが決めたさまざまな活動をどのように具体化するかという話し合いをし、またそのための手段を練ります。そして、過去に起きたさまざまな危機を乗り越えるために、私たちの部門の労働者を代表して活動したこともありました。95年の金融危機のときは金融部門の労働者を集めてさまざまな共同戦線を張りましたが、その旗振り役をしたのが私たちフェトラバンカでした。今、私たちが活動の70%から90%を割いていることは、選挙に関する活動です。去年10月に選挙をするという取り決めがあったのですが、それが中断されてしまい、今再び選挙をするようにという活動をしています。
 そして今度は、ナショナルセンターの一員としての私の活動ですが、どちらかというとオペレーション的な役割のほうが強いと思います。全国執行委員会が決定したことを各部門と調整して行うというものです。この活動により私たちはさまざまな地方組織、それから全国連盟とコンタクトをとり、追跡活動をしたり、情報収集をしたりして一つのブロックづくりというものを行っています。また、執行委員会の話し合いの項目などを準備したり、それから作業部会などの活動内容を考えたりもします。
 現在、私たちがCTVとして行っていることは、選挙に関する大々的な議論を広めることです。選挙というのは労働組合組織の幹部を選ぶための選挙なのですが、これに関して政府の介入を認めるのか、それとも政府に反対して自分たちで独自の規定をつくり、その中でやっていくのかということについて議論を進めています。

国内での組合の現状

 また、私の国での労働組合の自由、それから独立性に関する話ですが、幾つかのデータをここで申し上げたいと思います。私たちのナショナルセンターCTVというのは、ここに参加されている皆様方のナショナルセンターと同様に政府に認められ、そして労働者の福祉を代表する基本的な労働組合として認められる存在でしたが、それも6年前までの話です。社会保障法というものが6年前に麻痺してしまいました。この6年間で3万の会社が店をたたまなければなりませんでした。
 インフレ率は18%、失業率は20%、そして消費者物価指数が19%、失業者が240万人強です。インフォーマルセクターで仕事をしている労働者の割合は57%に上ります。
 国際的な協定に関しては、ベネズエラ政府はいつもそういった協定、条約などを批准してきた国でした。しかしながら、6年前から労働組合活動の自由、それから自立性というものは踏みにじられてきています。また、3者協議などは存在し得るわけもなく、企業家の組織というものが力を持ち、CTVの発言などには耳をかしてもらえなくなっています。また、大統領のツルの一声でさまざまなことが決まるという状況になっています。
 2000年に私たちの組織のさまざまな役員の任期が終わり、新たな役員の選挙の時期がやってきたわけですが、政府は法律を出して、その選挙に介入をしています。政府は国民投票という手段に出ました。私たちの組織を認めるかどうかというもので、1,200万の有権者はこれに反対して、20万人だけが賛成するという事態になりました。しかし、私たちはその挑戦に対して正々堂々と闘い、そして自分たちで選挙をし、それに勝利することができたのですが、今回また執行委員などを決める段になって政府の介入があり、私たちは今回もその政府の介入と闘わなくてはなりません。
 最後に申し上げたいことは、CTVというのはILOにも認められている組織であり、また最高裁判所でも労働者を代表すべき組織として認められている組織であるにもかかわらず、政府は私たちの存在というものを正当な労働組合として認めていません。ILOは最近になり、ベネズエラの事情を把握するために視察を行いました。それに関する報告書を出しており、これは非常に分厚いものですが、ぜひお読みいただきたいと思います。