2008年 ウルグアイの労働事情

2008年2月 講演録

ウルグアイ労働組合連合会全国労働者連合(PIT - CNT)
ホルヘ アリエール ベルムデス ローレンソ

ウルグアイ医療関係労働組合事務局長兼PIT-CNT執行委員

 

 ウルグアイ経済は1999年のブラジル通貨危機の影響を受けて、厳しく落ち込み2002年までマイナス成長が続いたが、一連の金融政策が功を奏し、2003年の経済成長率は2.2%、04年は11.8%を記録、05、06年も7%前後の成長を記録した。今後の経済政策の課題としては、農・畜産物中心から、外資導入による産業の多角化・活性化を計る必要がある。
 2005年3月成立のバスケ政権(左派)は、「社会開発省」を新設するなど労働政策にも意欲を示しているが、労働運動組織が期待するようには進展していない。したがって、国民の最大多数としての地位を確立し前進させるためには、政府とのアクションの中でPIT-CNTが先頭にたって、われわれのより大きなプレゼンスを示すことが必要である。
 労働運動にとっては、目標を定めて前進することが鍵であり、以下のことが優先される。[1]経済政策と既存の資源を、雇用拡大と前の政権の時代に失われた賃金水準の大幅な是正に向けさせるのに必要な経済政策。[2]医療、税制など現政権が始めた構造改革の深化。[3]教育予算の増加(国内総生産の4.5%)。[4]組合運動の自由の擁護、特に重要なのは、業種別交渉を擁護する団体交渉法の承認。[5]国家の民主的変化。
 次にウルグアイの医療制度改革について述べる。与野党、経営者も加わった議会レベルでの長い論議の結果、医療全国統一制度を創設するための法律が議会で可決された。このプロセスで、われわれ労働者は社会的な主役を演じた。新しい制度が実施されれば、われわれの雇用、賃金、そして特に人間的で連帯的な中身のあるシステムの維持が可能になり、そこでは利益や金儲けは優先的な価値観ではなくなる。医療全国統一制度は社会正義と民衆参加の進歩を意味することになり、市民が経済状態を気にせずに必要なサービスを受けることが出来るようになるだろう。
この新たな医療制度で達成しようとしている目標は
a)全てのウルグアイ国民が、社会経済条件にかかわらず受けられる医療ケア。
b)公共、民間の医療機関における、地域の労働者および利用者の参加と人的、物的資源の利用管理。
c)国民への医療サービスを保証するための制度の安定、および労働者の雇用と賃金受け取りの安定。