2005年 パラグアイの労働事情

2005年2月16日 講演録

パラグアイ中央統一労働組合(CUT)
ソニア エリザベート バリオス ロペス

ランバレ市役所労働組合 書記長兼CUT財務担当

 

国内の経済状況

 パラグアイ中央統一労働組合(CUT)を代表してまいりました。出身組織はランバレ市役所労働組合で、そこで代表をしています。私が直接属している組合では書記長をしています。また、CUTでは執行部のメンバーをしており、その書記の1人となっています。労働組合では財務担当の書記をしており、またCUTではほかの書記の人たちと一緒にプロジェクトや職能訓練の企画、実施、さまざまな労働組合関係イベント、教育イベントの実施などをしています。
 私の国には、全国で2,038の労働組合があり、そのうちの1,674が民間部門、364が公共部門の組合です。組織率は13%、全国的な組織としては5つのナショナルセンターがあり、4つの労働組合連盟があります。
 失業率は21%、これは経済活動人口の21%を占めており、不完全就業者は19%です。そして、都市部にいる労働者の37%が家事に従事したり、または自営業についていたりします。そして仕事を持っている人の12%だけが年金などの制度に入っています。
 そういった状況を活性化し、経済を活気づけるための手段としては、クレジット、融資がもっとも強力と思われますが、現在融資システムは麻痺状態にあります。金融機関は非常に不安定な状態にあり、また保証、担保、リターンリスクなどを考えて、クレジット、融資をすることを中断している状態です。このことから、企業やさまざまな工場などが生産活動を行い、雇用を増やすということが不可能になっています。これが今の失業問題をさらに深刻なものにしているわけです。というのも、毎年8万人の新たな若い労働者が経済活動人口に参入しているからです。
 労働力というのは、商業、そしてサービス部門に集中しています。また建設部門、特に道路などインフラの建設部門にも集中しています。縫製、繊維産業は昔は非常に盛んでしたが、今はほとんど消滅状態にあります。この状況から多くの労働者が海外に働きに出ており、特にスペインには主に若い女性が外国人労働者として働きに出ています。
 賃金水準は、全国最低賃金審議会というところで決められますが、これは3者構成になっており、労働者、経営者、労働局、つまり政府の代表からなっています。そして、私たちのナショナルセンターはもっとも多くの労働者を代表しているために、この最低賃金審議会でも労働者の代表として参加しています。インフレ率と給与水準との開きが10%以上に広がったときに、この最低賃金審議会というものが開かれるというふうに中央銀行のほうで決めており、そこで審議し、裁定を下すことになっています。
 労働関係の法律の遵守というものは、また非常に難しい、現在なかなか行われていない問題で、現在は大量解雇、特に労働組合活動家の解雇が多く行われています。労働組合活動の自由は、民主主義にとって基本的なものですが、これはパラグアイではなかなか遵守されていません。労働関係の行政当局も、司法当局もこの問題について責任者であるべきなのですが、労働法が常に侵害されている、労働組合の自由が侵害されてきている状況の中では、彼らの活動は十分に強いものではなく、経営者の不誠実さがとめられない状況にあります。
 民主化に移行する過程での政府、各政権というのは、いつも国営企業の民営化を試みてきました。例えば水道、電気といったものですが、労働組合などによるゼネスト、それからさまざまなストを行い国営企業の民営化をとめることができました。
 ILOの努力にもかかわらず、我が国には3者協議というものが現在ありません。そして失業保険、労災保険というものも存在していません。ただ、そういった被害を受けた労働者が裁判という手に出ることはできますが、その場合非常に長い年月がかかり、勝ったとしてもスズメの涙ほどの補償しか得ることができません。
 そして、定年退職の退職金ですが、退職前に受け取っている給料の36カ月分が平均としてもらえることになっています。そして、民間部門では勤労年月1年当たり15日分と計算されております。それが10年間の基本になり、10年以降は30日分が計算されることになっています。
 そして社会保険に関してですが、社会保険庁が現在政府により民営化のプロジェクトを押し進めています。ほかにある社会保険のシステムとしては、銀行関連職員の年金金庫というものがありますが、それも非常に深刻な財政危機を迎えています。