2008年 アルゼンチンの労働事情

2008年12月3日 講演録

アルゼンチン労働総同盟(CGT)
ロミナ・カストロ

 

 アルゼンチンは90年代の経済危機から現在回復傾向にあり、労働条件、賃金状況などについては改善してきており、団体交渉の回数も増え、組織率も今年になって36%まで上昇した。しかし、そのような中でも相変わらずインフォーマルセクターで働く労働者が増えている。
現在のアルゼンチンでの労働運動の課題は、以下の通りである。

1) 労働の原則と基本的な権利の保護
2) 働く場を維持し、雇用を増やす
3) 賃金の上昇
4) 雇用の質の向上
5) 労働者の技能・教育水準の向上
6) 職場の安全衛生の適切な保護
7) 国家および州による労働問題に関する警察力の効果的な行使(法律の厳格な適用)
8) インフォーマル労働者への対応政策
9) より良い労働条件の確保と労働者の有効な保護政策策定のため、集団労働協約に関するテーマに広く取り組む

 これらの問題に対して我々は三者構成からなる委員会で討議が必要である。しかし、このためにはアルゼンチン国民の文化的思考の大きな変革が必要だと考えている。この対話には困難もあるが、あらゆるものにとって有益なことが多い。緊張や対立が生まれることは避けられないが、対話の必要性と問題解決のためのツールとしての価値に関して、本当の社会的自覚が生まれ、すべての対話制度の確立に役立ち、フィードバックされると考えられる。三者構成の社会対話がさらに進められれば、団体交渉などもさらに進みやすくなる。
 また、賃上げ以外の様々な条件の向上についても交渉する必要があると考えている。
 最近、ディーセントワークの考え方を国レベル、地方レベル、自治体レベルにしっかりと反映させるという新しい法律が制定された。
 若年・青年労働者の失業問題への対応も重要である。若年・青年労働者の失業率は、全体の失業の40%にもなっている。その若年・青年労働者への雇用の場を提供しなければならない。
 また、児童労働の根絶、団体交渉の充実、移民労働者の自由な移動に向かっても努力が行われている。