2007年 ホンジュラスの労働事情

2007年10月10日 講演録

ホンジュラス労働者統一連合(CUTH)
ノーレン ヨハナ モンカーダ マルチネス

ホンジュラス社会保障協会労働組合(SITRSHIS)
CUTH青年委員会委員

 

労働市場

 ホンジュラスは中米に位置し、人口は約700万人、労働人口は約275万人で、全人口の39%を占める。経済成長の速度は遅く、人口の増加の速度が速いため、教育制度における格差も手伝って、安価な労働力があふれている。失業者の55%が若者で、その大半が24歳未満。1日平均26人の国外流出を記録するほど移民労働があるが海外の130万人近いホンジュラス人からの送金が国内総生産の21%を占める。国内の貧困からの脱出である。国民の64%が貧困状態にある。そのうち70%が極貧状態にある。

民営化問題

 汚職の広がりは金融や財界、行政にまでおよんでいる。環境、医療、教育分野では潜在的な社会問題があり、燃料の高騰、アメリカ・中米自由貿易協定(CAFTA)の発足、民営化、中途半端で歪んだ政治改革などの問題を抱えている。

 労働にかかわる規制緩和を求める経営側の圧力が常に存在する。労働協約、国際的基準、国内合意などが無視されるか不履行の状態におかれることも少なくない。民営化は、ホンジュラス国民はもとより当該従業員にとっては大きな脅威である。民営化のターゲットには水道(SANAA)、電話(HODUTEL)、電力(ENEE)、港湾(HONDUCOR、EMPRESA PORTUARIA)、医療(SALUD)、教育(EDUCATION)があがっている。労働運動のみならず市民運動も加わって大規模な民営化反対運動が展開されている。2007年8月には全国の主要16カ所で大規模なデモ行進が行われ、労組、農民団体、先住民団体、移民団体、水利会議、環境団体、教員組織、女性組織など、あらゆる部門の人々が参加した。

労働組合

 ネオリベラルモデルの枠組の中で労使関係が展開しており、これは労働者にとって深刻な結果をもたらしている。労働運動は極めて制約的な環境のなかですすめられており、組織率は約12%である。ナショナルセンターは3つある。全国労働者センター(CGT)、ホンジュラス労働組合連盟(CTH)とホンジュラス労働者統一連合(CUTH)である。これらのナショナルセンターの下に17の産別があり、産別には503の組合が加盟している。

労働運動の課題

 ホンジュラスでは団結権の行使には、相変わらず大きな困難がつきまとう。さらに最近では、社会保障のない派遣労働、非典型労働などの雇用形態が拡大して、大きな問題になっている。
 労働組合をもっと柔軟で地方を重視した組織機構にしなければならない。指導者の世代交代を速め、活動をよりダイナミックにしなければならない。企業の合併統合には組合も企業グループ別、産業別、地域別に柔軟に対応していなければならない。そのための組合の提案能力を高める必要がある。さらに組合員の対象を企業に働く労働者個人から組合員の家族はもとより消費者、コミュニティーにまで拡大するビジョンを掲げている。将来を見据えた現在の問題や課題に労働運動が適切に対処ができるようにしていかなければならないと考える。