2004年 グアテマラの労働事情

2004年6月30日 講演録

グアテマラ労働組合連盟(CUSG)
カルロス エンリケ マンシージャ ガルシア

グアテマラ労働組合連盟 事務局長

 

 私はグアテマラ労働組合連盟(CUSG)の事務局長として、加盟組合員への様々な面倒、また加盟をしていない労働者でも要請があればそれに対処し、また組織の方針策定、組織運営などを指導する立場にいます。グアテマラには5つのナショナルセンターが存在し、その中の1つがグアテマラ労働組合連盟(CUSG)です。
 事務局長として組織の政策策定に責任を持っていますので、さまざまな会議に参加しなければなりません。また加盟組合員やその他の労働者の権利侵害が頻発しており、それらに対する対応にも責任を有しています。グアテマラでは労働組合参加を理由とした解雇が頻発しており、そのために労働省への申し入れだけでなく、裁判に訴えなければならないケースもあります。グアテマラでは労働組合活動の自由は常に侵害されていて、それが原因で労働者の組織率は非常に低いまま抑えられています。使用者側や政府は労働組合運動の安定を破壊しようと狙っています。こういった状況の中で、グアテマラの労働組合は労働者の組織化のためのキャンペーンに力を入れ、労働組合活動に参加していることを理由に解雇された労働者の職場復帰支援に大きな力を注いでいます。法律では労働組合活動の自由を認め、労働組合活動への参加を理由に解雇された労働者は24時間以内の職場復帰を課していますが、実際には解雇されてから8年かかってもまだ職場復帰ができない労働者もいます。この労働者の場合は裁判所で決着がついていないからなのですが、裁判で判決が下るのに時間がかかることから、労働省もこの法律をなし崩しにしているといった感があります。
 労働者は労働組合活動の自由を脅かされていますが、こういった問題が顕著にあらわれているのがマキーラと呼ばれている中南米版の保税加工区です。グアテマラではこの保税加工区が大きく拡大し、労働者は非常に劣悪な、非人間的な環境での労働を強いられています。マキーラでは労働組合をつくることも認められていません。現在、そのマキーラ、保税加工区で労働している労働者の労働組合が3つあるのですが、この3つとも多くの問題を抱えています。
 もう一つ問題を抱えている労働組合は、地方自治体の公務員の労働組合です。行政側の労働者でありながら、同じように労働組合の自由を侵害されています。
 私はILO第144号条約で定められている構成機関のメンバーをつとめています。もう一つは、能力開発生産性技術研究所の理事会のメンバーに、労働者を代表して入っています。また、最近になって非常にデリケートな役職にもつくことになりました。それはグアテマラ社会保障庁の理事会メンバーに労働者を代表して就任したということです。
 そしてまた、ナショナルセンターCUSGを代表して、米州地域レベルの国際組織ORITと、その上のICFTUとの連絡調整もおこなっています。もう一つ、私が重要だと思う役職は児童労働撲滅全国委員会のメンバーであることです。
 もう一つ申し上げたいことは、最近の新しい動きとして、また争いの種として自由貿易協定の締結があります。自由貿易協定の締結は労働者の意見に全く耳をかすことなく、政府と企業の話し合いで合意に至り、その合意の内容を労働者に一方的に押しつけようというものです。これが中米諸国とアメリカとの自由貿易協定でもっぱら起きていることです。
 最後になりますが、日本の労働組合関係者の教示と連帯をお願いしたいと思います。近い将来、中米の各国政府と日本政府との話し合いが持たれるという話を聞いていますが、そのときに労働組合側から、こういった条約を締結する前に労働者の意見をよく聞いてから行うようにといったアドバイスをしていただきたいと思います。