1999年 エルサルバドルの労働事情

1999年6月30日 講演録

エクトール・ダビッド・ピネダ・リバス
アガベ労働者組合(繊維労組) 財務局長

 

流入する多国籍企業と困難な組織化

 私の国エルサルバドルは人口が500万人です。
 エルサルバドルの労働組合運動の歴史はエルサルバドル民主労働者センターの1992年から現在まで、社会的、経済的、政治的に直面している問題についてです。まず社会的な問題。労働組合や労働者連盟を組織すること、それに加盟することがどんどん難しくなっています。これは自分の会社の中で労働組合を組織することを許さない多国籍企業のせいです。9つの労働組合がなくなりました。これは通信、水道、教育、医療の分野のものです。これら産業の民営化が行われ、そしてサービス自体がなくなり、民間企業の手に移りました。そしてそれらのサービスを受けること、享受することは日々難しくなっています。失業率は8ポイント上昇して、今年34%に達しました。
 経済的な問題としては、災害によって、外貨の得られる作物に被害が生じたために外貨が乏しくなっています。エルサルバドルに投資する企業が少ないために雇用が余り生まれていません。というのは、エルサルバドル市場が非常に弱く、商品がなかなか売れないためです。エルサルバドルには関税障壁がないので、世界中からいろいろな商品が入り込んできますが、エルサルバドル製品は十分な競争力がなく、国際市場で競争していくことはできません。エルサルバドルには最新技術や近代化された機械、また資質を備えた労働力というものがありません。このような状況は先進諸国に対してエルサルバドルを不利な状況に置いてしまいます。私たちは単なる消費者になってしまっていて、物をつくっていません。雇用の機会は非常に減っており、インフォーマルセクターのみが雇用を生んでいる状況です。人々は街頭で物を売ったり、また行商したりしています。インフォーマルセクターでは多くの子供たちが仕事をしています。法律では禁じられていますが、子供たちが実際に働いているというのが現状です。
 政治的な問題としては、中央集権政府ですが、右派50%、左派50%という構成になっていて、いろいろな問題を起こしています。この政府は自分たちに関係する経済部門だけを保護して、国民全体にとって必要な政策というものを余り実行していません。