2007年 スウェーデンの労働事情

2007年2月21日 講演録

スウェーデン全国労働組合連盟(LO)
スティーナ・マリア・ジェシカ・イザクソン

スウェーデン商業労働組合国際局書記

 

スウェーデンのナショナルセンター

 人口約900万のスウェーデンにはスウェーデン労働総同盟(LO)、スウェーデン俸給従業員中央労働組合連盟(TCO)、スウェーデン専門職員中央組合連盟(SACO)の3つのナショナルセンターがあります。LOには民間、官公部門を含め15の組合から1,831,000人が加盟しています。そのうち女性は約839,115人。商業労働組合(Handels)は、LO傘下3番目の組織人員172,00人を擁しています。主力は販売員で花屋さんや美容師、倉庫関係その他ホワイトカラー労働者も組合員です。

産別・商業労組(Handels)のネットワーク

 商業労組は女性が65%を占め。全組合員の30%は30歳未満です。ストックホルムの組合本部執行部とスタッフは支部にとって重要な拠り所となっています。本部専従は130名で17,000箇所に活動拠点をもっています。さらに1076箇所の職場に組合クラブ(trade union club)を設けています。

支部の役割

 職場の組合活動は25の支部によって行われています。各支部には専従スタッフを配置して組合員へのアドバイスなど比較的日常的な問題についてサポートしています。職場に関する組合員からの訴えについては専従者がチームをつくって対応しています。担当専従者は職場における紛争の交渉役でありまた職場の健康安全地域担当として環境問題の組合側の責任者でもあります。

パートタイム労働者

 女性組合員の過半数がダートタイマーであるがその多くがもっと働きたいと考えています。組合は正規従業員を望むパートタイマーの要望を実現するためにたたかっています。

労働協約の効力範囲

 スウェーデンの労働者は、その90%がなんらかの労働協約の保護を受けています。労働協約は労働環境法、労働時間法(年次休暇法)と同様、労働者を広く保護する機能を持っています。労働協約に関する規則は「労働における共同決定法」に明記されています。スウェーデンには法律による最低賃金もありません。法律より労働協約がもっとも有効とみなされています。

労働組合と政党

 商業労組はLOの一加盟組織として政治的論議には積極的に参加しています。2006年5月のLO大会では過半数の決議案が政府に対する要求でした。労働運動が支持する社会民主党(SDP)は1889年に労働運動の政治的影響力を強化するために労働運動によって創立されたものです。社民党とは頻繁に連絡をとっていています。LOは社民党執行委員会に代表を派遣しています。しかし両者は共通の目標をもってはいてもそれぞれ独立した関係にあり時には見解を異にすることもあります。

「新しい労働党」

 2006年の選挙では社民党は破れ12年続いた社民党政権に代わり非社民連合4党(穏健党、自由党、中央党、キリスト教民主党)の連立政権が誕生しました。新政権は新しい労働党ともいわれますがその施策をみるととてもそうはよべません。すでに失業保険の改悪を敢行しています。この改悪によって失業保険料が増額され特に女性労働者やパートタイム労働者に大きな影響を与えています。保険料の値上げと失業保険給付の低減という不公平な制度となっています。

労働事情を聴く会