2009年 ルーマニアの労働事情

2009年9月11日 講演録

ルーマニア自由労働組合同盟(CNSLR-FRATIA)
フロンティーナ・クリスチーナ・イナシュ

国際関係・機会均等問題担当役員

 

一般的労働情勢

 総人口は2,160万人。労働力人口は10,40万人。就労者は920万人。雇用労働者は460万人、失業者は57万2,000人。
 就労者と雇用労働者の違いは、ルーマニアでは240万人が自営農民であり、さらに160万人以上が生活の糧をえるために自営業を営んでいるからである。

失業問題

 失業者の多くが国家雇用局に登録されていない。その第一の理由は多くの失業者が失業給付を受ける基準を満たしていないからである。第2理由は無申告の雇用や違法労働が多いからである。第3の理由は求人情報に関する情報が不足しているからである。
 失業率を引き下げる具体的な対策として、使用者に対して若い学卒者を雇用すること、障害者、恵まれない人々、45歳以上の者を雇用するよう働きかけている。
 また、少なくとも従業員の半数は現在失業している者を雇用する条件で、失業給付基金からの貸し付けを事業所の設立もしくは拡大を支援するために支給するよう働きかけている。就職説明会を頻繁に開催するよう働きかけている。

労働組合が直面する主要な課題

  • ヨーロッパの基準並みのディーセントな生活を達成するためにディーセントな雇用を確保すること。
  • 若年者(15歳―25歳)、高齢者(55歳―64歳)、障害者、農村居住者など労働市場への参加が減少している労働者を惹きつけ、もしくはそれらの市場を維持すること。
  • ルーマニアの労働者の競争力の強化。個人と職業生活をうまくマッチさせて、組織内における女性の管理職への昇進を図ること。

諸課題に対する労働組合の対策

  • 全国的な団体協約の促進活動、EUの中間的なレベルまでの賃金レベルの引き上げ交渉促進。
  • 中央組織・地域組織レベルの組合活動家の交渉と対話の能力の開発。
  • すべてのレベルで必要な資源を確保する教育訓練制度を開発すること。
  • 効率的な通信システムを開発すること。
  • 女性や若年者を対象にしたセミナーや会議などを組織すること。
  • 欧州を始め世界中の様々な労働組合と経験交流を行うこと。

移民労働者問題

 ルーマニアから他国への移民は1990年―97年には全労働力の7%に上ったが、それが2004年―2007年には30%に増加した。移民先国は、イタリア、スペイン、ドイツ、ハンガリー、イスラエルなどの国々であった。
 移民の増加に伴う国内のマイナスの影響としては、まず第1に社会保険制度への拠出金の不足がある。次にルーマニアに帰国した途端、社会的保護制度の負担となることがある。
 更に、国内では重要な経済部門、たとえば建設、工業、公務、特に医療サービスなどの労働力不足をもたらしている。

三者協議

 全国レベルでは法律に基づく三者協議の場として経済社会評議会が設置されている。産業部門別に全国レベルの協議の場も設置されている。

労働事情を聴く会