2009年 ブルガリアの労働事情

2009年9月11日 講演録

ブルガリア独立労働組合連盟(CITUB)
ダニエラ・ディニトローヴァ・アレクシーヴァ

人材開発担当専門家

 

一般的な労働事情

 2003-08年のブルガリアの労働市場は、安定した経済成長の条件下でダイナミックな発展を経験した。雇用は力強く伸び、失業者は着実に減少し記録的な低レベルに達した。しかし、昨年9月以来の世界的な金融経済危機の結果として現在の経済の落ち込みは、経済活動や雇用に大きな悪影響を与えている。失業率は2008年の5.6%から2009年1月時点で6.5%に、7月時点では7.62%に上昇した。

労働組合が直面する主要課題

 2009年1月15日に採択された国家雇用行動計画(NEAP)は、労働社会政策省を仲介として社会的パートナー(政労使)の協力の下で策定された。この行動計画の主要目標は、世界経済危機の雇用への影響を抑止できるように最大限の労働市場の「フレキシキュリティ(flexicurity)」(雇用における柔軟性=flexibilityと安定性=securityの両立)を達成することである。また行動計画は2005年の改訂リスボン戦略を実施するための手段である。従って、国益だけでなくEU全体の雇用政策に関するブルガリアの義務を果たす意味もあった。
 ブルガリアがEUに加盟して2年半が経過した。現在ブルガリアは世界の金融崩壊とその後の景気後退によって生じた経済危機の中にある。この状況の中でブルガリアの社会で最も必要なことは、危機を乗り越えるために官民の知恵とエネルギーを動員できるような国の責任ある実践的かつ長期的な政策決定である。従ってブルガリア独立労組連盟(CITUB)の直面している課題は、世界金融経済危機が経済と労働に与えている影響を監視し、それを克服していくことである。最近の主要な活動は、経済と労働市場の情勢の分析、全国レベル、支部レベルでの危機対策と行動の策定、社会的パートナーとの協議、政府への対策案の提出などである。

労働組合の対策

  1. 2009年の初め、CITUBは加盟組織と合同で関係政府省庁、使用者団体と危機戦略を話し合う協議を開始した。
  2. 2009年7月5日の総選挙を背景として、四野党との会談を開始し、社会経済政策に関する労働組合の立場を表明した。このためCITUBは2つの戦略的文書を用意した。
    1つは、2009年―2013年のブルガリアの政治的および社会経済的発展に関するCITUBマニフェストであり、もう一つは主要政党の選挙前のプログラムと各政党のCITUBの戦略的意見の反応を分析する文書であった。
  3. 2009年4月、CITUBはブルガリア独自の文脈の中でフレクシキュリティの議論を展開するために、労使関係の発展と規制のための議論を採択した。これには以下を目標とする活動や対策を含む:労使関係の柔軟性と安定性;生涯学習の改善と促進;積極的かつ効果的な労働市場政策;賃金政策および移民問題;現在の社会保障制度;ストライキの法的規制;自律的な二者対話と団体交渉の強化・団体協約の締結促進。
労働事情を聴く会