2003年 ベトナムの労働事情

2003年9月10日 講演録

ベトナム労働総同盟(VGCL)
ハ ティ マイ フォン

ベトナム労働総同盟 VGCL監査委員会スタッフ

 

国内の状況

 政治的にはこれまで通り独立を保ち、安定しております。1つの大きな成果は、ベトナム国民は共産党の指導に絶対的な信頼を持っていて、国の革新事業に参加している事です。対外的には、ベトナム政府および国民は世界の全ての国との友好関係を築いていくことを熱望していますが、その努力が評価されて、徐々にベトナムを巡る国際的な環境が良くなっている事がもう一つの成果と考えられます。
 経済的な成果につきましては、まず、GNPは最近は6.7%で成長しています。輸出につきましては伝統的な輸出品目、例えば農産物、コーヒー、天然ゴムなどの伝統的な輸出品に加えて、最近は電子工業部品の輸出も増えてきました。2005年のWTOの関税化に対応して、国内的な産業の整理調整も行われております。同時に、金融部門においても、外国の支援をより有効的に利用するために政府も努力しています。
 次は、社会的な成果では、医療、教育、社会的な弊害、例えば覚醒剤、アヘンなどの撲滅運動などで基本的な成果を収めています。
 しかし、良い事ばかりではありません。ベトナム経済自体が持つ要因で、あるいは世界市場の変動により、最近、ベトナムの経済発展に幾つかの障害、もしくはふさわしくないことが起きつつあります。現在問題とされているのは産業間の賃金格差です。また、失業率はかなり改善されているとは言え、いまだに全体的に見て大体6から7%になっています。
 民営化された非国営企業において、国に対する債務返済の停滞が顕著になっています。非国営企業としては、各種社会保険の拠出金を納めなければなりませんが、それをできるだけ納めないようにしています。それが大きな問題となっております。
 労働争議の件数も増えてきています。最近の統計によりますと、全国で74件のストライキが発生しました。
 成果もありますけれども、困難な課題も抱えています。

VGCLの活動方針

 ベトナム労働総同盟(VGCL)は、次のような活動を予定しています。まず、前回の全国大会の決議を、現場の労働者がより分かりやすく、より切実さを感じられるような運動、あるいは活動を具体化に展開していくことです。中央の幹部は、その活動方式をより下のレベルまで下りて展開していかなければならないと思います。

VGCLの具体的な活動

 例えば、次のような事をしなければならないと思います。共産党および政府との対話の機会をもっと増やしていくことです。その話し合いによって、法律の整備をなお一層図っていきたいと思います。昨年、多くの機会を利用して、総同盟の中央委員会は政府あるいは共産党の人民委員会との話いを行いました。厚生省や労働省との話し合いでは、法律でより細かい規定が作られるような話し合いを重ねてきました。現場において非常に刺激的な問題があれば、即時に政府に伝えて話し合いの場を設定することになりました。これは私たちの言葉で言いますと、我々が直接国の管理事業、あるいは行政事業、あるいは経済活動に参加するという事になります。
 次は、全ての社会保障制度の完全な実現に向けての労働総同盟の活動です。同時に社会保険の拠出金をまだ納めていない国営企業、あるいは非国営企業に対しての啓蒙活動があります。最近、問題にされている事ですけれども、私たちは労働基準監督専門家を養成して、現場に対応していかなければならないと思っています。これは政府の協力がなければなりません。特に、これからリストラも考えられますから、労働者の再訓練、あるいは新しい雇用のための職業訓練のプログラムを多く持っていますが、これらは政府の支援と協力がなければ実現できません。
 同時に、私たちはより豊富な形で政府・共産党の政策、理論などを現場の労働者に伝え。、ていかなければならないと思いますそして他の国と同じように、労使関係がよりうまく処理されるように、正しい権利の範囲についての啓蒙活動もどんどん取り入れて行かなければなりません。
 そういう運動を展開する中で、技能コンクールという形で実験的に行われています。例えば、生産現場における投入機材の節約、これは経営者のためだけではなくて、労働者の利益にもつながるわけですが、そのような運動をコンクールというやり方で行っています。
 私たちは、これからももっと組織的な拡大を図っていかなければなりません。労働者に対して、労働組合によって何がメリットになっているのかを低層レベルの労働者が分かりやすいように、低層レベルの労働組合幹部も実行しやすいように、具体的な細かい取り決めもこれからつくっていかなければなりません。特に非国営会社、あるいは合弁会社における組合員の拡大が大きな課題となっています。
 最後になりますが、総同盟の一つの大きな任務は国際連帯活動であります。全ての国の労働組合との関係を作っていきたいと思います。1つの国の中に複数の労働団体がある場合でも出来るだけ多くの団体との関係を持っ、ていきたいと思います。多くの国際労働組合組織から支援を受けながら、国際連帯事業は色々と成果を収めました。特に、JILAFが非常に有効的な力を私たちに与えております。人材養成だけではなくて、多面にわたってJILAFからの支援を頂いております。
 今回、日本での研修の機会を得て、他の国の労働組合と接触し相互理解を図ることができました。日本だけではなくて、隣の国の課題、あるいは成果なども勉強することが出来ました。そういう成果をベースにして、私たちはもっともっと努力をしていきたいと思います。みんなの支援を受けて、世界平和を守る闘いにおける私たちの力も発揮できると思います。