2007年 ラオスの労働事情

2007年5月16日 講演録

ラオス労働組合連盟(LFTU)
サイパニー ソムサニット

ラオス労働組合連盟(LFTU)教育担当書記次長

 

 ラオス労働組合連盟(LFTU)は、ラオス人民革命党に率いられた人民民主体制の中で組織された団体であり、他の大きな機関と協調関係を図り平等と民主主義の原則に基づいて活動している。
 LFTUは、独自の規則を有し、組織および運動については、独立性をもった社会政治組織である。組織の目的は、連帯を強化することにより、民主化の促進、妥当な雇用を拡大することであり、その役割、権利、義務は次のとおりである。
 1つは、広く労働者を動員し、職業ごとの教育、組織化を図ること、職業訓練を進めること、また、政治的な法律・規則に基づいた形での仕事を行うことを認識させること、さらに労働契約の導入、労働者の有する権利、享受すべき民主主義を発展させていくことである。
 2つ目は、労働組合員の利益、合法化された権利の保護を行うことである。そして、政治、法律、国家の規則、その他、労働者の権利と利益に関係した政策の導入、監視などがあげられる。多くの組織とともに、国家の社会経済の発展の応援に携わること、広く国際的な労働運動および労働諸機関との協力を図ることも重要な目的である。
 次にラオスにおける労使関係について述べる。ラオス政府は、労働法について、労働の実態に沿い、それを改善する方向で取り組んできた。ラオスの労働者たちは、もともと自然に基づいた経済、すなわち農業分野で生活してきたために、企業における生産・労使関係というものは新しい経験である。このため市場経済部門における労使関係についての知識・経験は未熟であり、団体交渉の力量は欠如しているのが実態である。
 こうした中、LFTUは、合法化された権利・利益の保護のために3者構成による制度に積極的に参加しており、3者が相互に協力して労働者の保護と労使関係についての教育、職業訓練の強化を図っている。また、国際労働法と国内法に基づいて、児童労働の撲滅と、子供たちの権利保護の促進を図っている。
 次は労使紛争についてである。1975年から2007年にいたる期間、基本的には市場経済のもと協力的な経済運営が行われているが、労使紛争がないわけではない。紛争の原因としては、不当な解雇、賃金・給与における搾取、残業の強制、職場における安全衛生の欠如などが上げられる。また労働者の生活が、農村における家族経済を母体としている関係で、彼らの労働技能が欠如していること、労働法や諸規則についての知識不足などが指摘できる。経営者側の問題としては、労働法と諸規則についての無視があげられる。
 われわれの組合の課題には、グローバル化の影響への取り組みがある。グローバル化は、特に情報通信技術の分野において、労働者にとって多くの課題を突きつけている。労働市場における競争、会社、企業等における質の高い形での生産性の向上は、わが国の労働者にとって、保有する技術を発展させるための後押しとなる。労働者が高い技術に対応できることによって、世界各国からの投資の誘致が拡大するものと期待している。
 LFTUの課題は、現在LFTUのマスタープラン自体がラオス政府のマスタープランには含まれていないことがある。LFTUには労働組合規則はあるが、組合法が存在していないという問題があり、組合運営に当たっての予算の不十分さも重要な課題であり、組合にとってのグローバル化対策も必要になっている。