2005年 インドネシアの労働事情

2005年7月27日 講演録

インドネシア労働組合連盟(ITUC)
スパルマン スハリャディナタ

全国労働組合(繊維)事務局長、ITUC法制委員会委員

 

労組活動の現状とその課題

 私は繊維の全国組織の事務局長として各分野にアクションプログラムを示すこと、3者協議の代表として、政府・労働大臣に対し賃金引上げ、超過勤務およびその他の要求や意見を提起することを行っている。インドネシアにおける最低賃金は以前には中央政府が決めていたが、現在は各地方自治体ごとに各州知事の決定として決めるようになっている。
 我々が直面している問題は、インドネシアでの組織率は約10%と低いが、それは労働者たちが組合の結成が自分たちの利益になるという意識を持っていないことに大きな原因がある。また企業レベルの役員が情報不足で交渉能力が不十分なため、良い結果を引き出せないのが実態である。教育訓練によって交渉能力の向上を図ることが不可欠である。
 政府は労働に関する法律を作るとき労働者の事情をよく把握しないまま作り、そして制定された法の運用状況にも注意を払っていない。解雇による失業に対しても何の施策もとられていない。また、労使紛争の解決には長い時間と、多額の費用がかかるということも問題となっている。

全インドネシア労働組合総連合(KSPSI)
イダ アユ ムスティカワティ

インドネシア印刷・出版・情報メディア労働組合連盟 事務局長兼KSPSI女性委員会委員

 

活動の現状と直面の課題

 私が属する印刷・情報・メディア労働組合連盟は11の地方組織を持ち、加盟人員は46,000人で、事務局長としてこの分野の労働者に対し組合の設立による利益、組合の目的、機能などを啓蒙する活動を行っている。労使に対し、組合は調和のとれた労使関係を築けることを訴え、労働者の組合参加への恐れを解消するよう努めている。
 直面する課題は、女性の雇用機会の拡大と仕事内容・労働条件の格差をなくすことである。教育訓練での困難は資金の不足で、組合費を払わない者が多数いるということからの問題がある。しかし、労働者たちは困ったときには幹部に相談に行き、それは組合にとって非常に重要な活動である。組合幹部教育の焦点は、団体交渉能力の向上である。
 2004年の第2号法律によって2006年6月1日からスタートする労働裁判所のためKSPSIから5名が研修に参加することが決まっており、私もそのうちの一人である。この研修には労働者側だけでなく、使用者側にも参加するよう勧めている。