2004年 インドネシアの労働事情

2004年6月2日 講演録

インドネシア労働組合連盟(ITUC)
バンバン プリヤント

インドネシアセメント労働組合 連盟事務局長兼ITUC副事務局長

 

ITUCについて

 インドネシア労働組合連盟(ITUC)は、10の全国レベル産業別連盟から成り立っています。一番大きい組織はPGRI(教職員)で組合員数は159万8,716人です。ITUCで2番目に大きい組織はTSK(繊維被服非核)で組合員数は54万7,722人、国際繊維被服皮革労働組合同盟(ITGLWF)に加盟しています。3番目に大きい組織はKahutindo(林や木材)で、この組織は国際的には国際建設・林産労連(IFBWW)に加盟しております。組合員数は39万1,121人です。4番目がAspek(サービス産業)で、これは銀行その他のサービス産業を組織している連盟で、国際的にはUNIに加盟し、組合員数が11万529人です。5番目は、SPMIで、金属及びエレクトロニクス関係の組合から成っています。インドネシアに進出している日系企業の労働組合が多くこの組織に加盟しており、国際的にはIMFに属しています。組合員数は7万7,000人ほどです。そのほかに、ITUCのメンバーとして私自身が属しているSPISI(インドネシアセメント労働組合連盟)があり、組合員数は1万7,280人です。
 その他のITUC加盟組織については省略しますが、ITUCには、全部で約300万人の労働者が加盟しています。
 インドネシア労働組合連盟(ITUC)は、2003年2月2日に設立されました。最も重要な決定機関は全国大会です。次いで全国評議会、中央執行委員会が設置されています。ITUCには6つの部局があります。1つは、広報、及び組織拡大部門です。主な仕事は、教育、ワークショップ、団体交渉、図書館の設立、訓練センターの設立などの担当部局です。2つ目は国際局で、国際組織と連帯を深め、結束を固めていく部局です。そのほかの局については、省略します。

インドネシアの3つのナショナルセンター

 インドネシアには3つのナショナルセンターがあります。まず第1にインドネシア労働組合総連合(KSPSI)で、この組織は政府に非常に近い組織です。2つ目は、ITUCで非常に緩やかなナショナルセンターです。3つ目にSBSIというのがありますが、非常に小規模な組織であり、政府に対しては非常に反対する立場のナショナルセンターです。

全インドネシア労働組合総連合(KSPSI)
イ ワヤン マドラ

全インドネシア労働組合総連合 バリ支部長

 

KSPSIについて

 私が属している全インドネシア労働組合総連合(KSPSI)は、1973年に設立されました。KSPSIは、設立以来さまざまな形の変化を重ね、現在の形になりました。KSPSIは、18の産業別連盟から構成されています。18の連盟の中で1つの組織だけが国際労働組合組織と連帯しています。その組織は海員組合で国際運輸労連(ITF)に加盟しています。KSPSIは、インドネシア全国にまたがる組織で、インドネシアにある33州すべてに支部を持っています。KSPSIの組合員総数は約700万人です。
 私はバリ支部長ですが、バリについて言いますと、バリには、KSPSIの中の8つの産業別連盟が加盟組織として存在します。バリ島は小さい島です。人口は250万人で、その中で、このKSPSIに加盟している組合員の数は5万8,000人です。先ほど、バリでKSPSIに属している連盟は8つあると申しましたが、その中で一番大きいのが、観光業労働組合連盟です。バリは観光の場所として世界的に有名です。
 インドネシアでは新しく制定された労働法の下で、新しい組合がどんどんできています。現在は74の組合があり、3つのナショナルセンターを持っています。一番古いナショナルセンターはKSPSIで、1998年に組合がいろいろできる前は、KSPSIがインドネシアにおける唯一のナショナルセンターでした。
 インドネシアの経済は、現在、非常に厳しい状況にあります。SPSIは、労働者の賃金値上げが必要だと考えていますが、非常に難しい状態です。インドネシアは、1997年にアジアの通貨危機にあい、困難な場面にぶつかりました。また、バリ島では2002年10月に爆破事件があり、以後、経済的に大きく落ち込み、回復も難しい状況にあります。しかし、今年4月の総選挙はうまくいきました。また、7月5日には大統領選挙が予定されていますが、政治的なことがすべてうまくいけば、インドネシアの経済事情、特にバリの経済事情は良くなるだろうと期待しています。
 ここで申し上げておきたいことは、インドネシアの労働関係法は、おそらくほかの国とほとんど変らない内容ではないかということです。しかし、インドネシアでは、その実施がうまくいっておりません。それは労働者、経営側、政府の三者ともその実施がうまく行えていません。そういうわけで、これからその実施をうまくやっていかなければなりません。KSPSIの会長は、現在の労働大臣のヤコブ・ヌワ・ウェアです。7月5日の大統領選で、メガワティ現大統領が再び大統領に選ばれた際には、ヤコブ委員長も再び内閣に留まることを望んでいます。