2012年 東ティモールの労働事情

2012年6月29日 講演録

東ティモール労働組合連合(TLTUC)
ティト ジェロニモ
Mr. Tito Geronimo

東ティモール建設労働者組合 書記長

 

1、当該国の労働情勢

 東ティモールでは、労働者自身が、会社の中の労働組合がどのようなものであるかを理解していない。企業側もまた会社の中の労働組合がどのようなものであるかを政府に報告することができていない。また、労働者を保護する法律もまだ整備されていない。現在、東ティモール政府は、東ティモール労働組合連合(TLTUC)と、どのようにしたら労働者を援助し、守ることができるかについて対話を続けている。

2、労働組合が現在直面している課題

 多くの労働者が、職場での不満や苦情をTLTUCあるいは政府に申し立てている。例えば賃金にしても、『最低賃金法』が無いので、労働者を守ることができていない。労働条件に関しても、超過勤務手当が支払われていないケースがある。新しい法律が制定されず、現在適用されている法律は、2002年に国連統治下で暫定政府が制定した時代のものだ。
 この4年間、労働組合側は政府・企業と論議を続けてきた。『労働法』についても4年間論議を続けてきたが2012年6月21日、[1]『労働法』[2]『ストライキ法』[3]企業に対する『調査法』がついに成立した。このinspection(調査)法は、企業側が職場で違反をしていないかどうかの調査ができるもので、企業側が法律を犯していることが判明すれば、制裁を加えることができるというものだ。

3、その課題解決に向け、どのように取り組もうとしているのか

 東ティモールでは、職場で問題が起きたときは労働組合側ではなく企業側が政府に報告する。その報告を受けて、政府が企業に調査に入るが、それについて労働組合側あるいは労働者側はまったく連絡を受けておらず、情報も得ていない。ナショナルセンターは、労働組合側から連絡を受けて初めてその問題を知ることができ、その後に職場での状況を把握することになる。政府あるいは企業側は、この問題を仲裁という形で解決しようとしているが、ナショナルセンター側は、職場での問題は、その被害を被った労働者に対する補償という形で解決したいと考えている。

4、あなたのナショナルセンターと政府との関係について説明してください

 現在、TLTUCは、政府との協議で社会保障、特に年金について、労働者側が利益を得られるよう話し合いを行なっている。政府とナショナルセンターの関係は非常に良い。

5、あなたの国の多国籍企業の進出状況について、また多国籍企業における労使紛争があればその内容についてお知らせください

 東ティモールで起こっている労使紛争は、主に多国籍企業である。国内企業ではそれほど多くの労使紛争は起きていない。多国籍企業は、東ティモール政府から援助を受け、また支持も受けているので、労働者に対して細心の注意を払っていない。それはやはり政府が多国籍企業を援助しているからである。