2004年 カンボジアの労働事情

2004年6月2日 講演録

カンボジア労働組合調整評議会(CTUCC)
サム スレイモム

カンボジア自由労働組合(FTUWKC) 副会長

 

FTUWKCの活動

 国際的な労働者の祭典である日5月1日には、私どもの組織のカンボジア自由労働組合は毎年デモなどを組織してこの日を祝ってきましたが、今年は残念ながら、私どもが一番尊敬していたチェア・ビチェア会長が暗殺されたため、行わないことになりました。
 私どもの組織の主な活動の1つは、労働者教育です。その一環としてエイズに関する教育、また、男女の平等を求めるジェンダー問題に関しても教育活動を行っています。労使間の問題でもそれが争議に発展する前に、できるだけ話し合いで解決できるように努めています。また、まだ組合がない職場、いわゆる未組織の職場の組織化も支援しています。さらに、児童労働問題に対しても努力しています。もう一つは、組織に対する組合員の支持を得るため、また組織の活動に対する労働者の理解を得るためにパンフレットの作成・発行などを通じた啓蒙活動や教育活動を行っています。
 現在、カンボジア自由労働組合では、10名のフルタイムのボランティア活動家が働いています。この10人の活動家が、賃金引き上げ交渉やその他の面で労働者のために活動しています。

カンボジア労働組合調整評議会(CTUCC)
ロン チュン

カンボジア独立教員労働組合(CITA) 会長

 

CITAの活動

 カンボジアでは長い間内戦が続き、平和が戻ってきたのは1993年でした。カンボジア独立教員労働組合を設立したのは国民にカンボジアの民主主義を正しく発信するためでした。もう一つの目標は、カンボジア全国の子供、更に大人までちゃんと教育を受けられるようにすることでした。国民にきちんと権利を与えるようにカンボジア政府に働きかけるのも、私どもの組織の役割です。また、公務員はもとより一般労働者のために、労働条件の改善を求めていくのも、私たちの役割です。私どもはカンボジアの公務員やその他の労働者がきちんと生活できるだけの賃金を支払うよう、政府に訴えています。
 現在カンボジア政府は、正しい民主主義を実行してはいません。カンボジアの国民に正当な権利を与えていません。現在のカンボジア政府は自分たちの利益のために国民、労働者を利用しているに過ぎません。
 カンボジアの公務員の賃金は、アメリカドルに換算して1ヶ月30ドル程度です。民間の労働者の賃金も、45ドル程度で、ちゃんとした生活するのは、厳しい状況です。
 カンボジアの社会を変えるためには、労働組合の存在が極めて重要だと認識しています。労働組合の力をもっと強めていけば、カンボジアの社会は絶対に変わると信じています。
 更に私どもは、海外の労働組合組織が、カンボジア政府に圧力をかけることができれば、カンボジアは変わることができるかもしれないと期待しております。
 現政権は、労働組合の力が強くなると、政権が倒されるかもしれないと危惧して、次々と労働組合幹部の暗殺事件を起こしました。今年の1月22日、私の友人でもあったカンボジア自由労働組合のチェア・ビチェア会長が暗殺されました。さらに、5月7日には、テイロンガワという工場の労働組合の委員長が暗殺されました。私自身も暗殺計画リストの中に入っています。カンボジア政府は、これらの暗殺事件に全く関心を示しておりません。民主主義を愛する私どもが狙われている中で、カンボジア政府は本当の民主主義の何たるかを全く理解していません。