2002年 バングラデシュの労働事情

2002年10月2日 講演録

バングラデシュ自由労働組合会議(BFTUC)
チャイナ ラハマン

衣料労働組合連盟/副会長

 

BFTUCの活動状況

 BFTUCの活動の中で、労働者教育活動、労働者研修活動を、BFTUCの加盟費を始め、ICFTU-APRO、ICFTU-BC、そしてICFTUとILOから資金的な支援を得て展開しています。
 そのような研修活動の中には、労働組合の権利、職場における安全と衛生、社会的安全網などについての実際的な研修、また未組織労働者の組織化、女性労働者の組合への参加青年労働者の組合へ参加などの研修が含まれています。
 BFTUCは、児童労働撤廃に向けて、児童の両親に対する意識啓蒙活動、児童への教育活動などの活動を行なっています。バングラデシュのミルプとシネという2つの地方に研修場所がつくられています。
 BFTUCの活動の中で、重点課題の一つは、女性労働者の組織化の問題です。労働者に賃金がきちんと支払われるようにすることも重点課題です。

バングラデシュ・ジャティヤタバディ・スラミク・ダル(BJSD)
バキール ホセイン

ソナリ銀行従業員組合/委員長

 

BJSDの活動状況

 2001年10月、総選挙が行なわれ、新政府に交代しました。
 現在、経済的状況は、とても苦しい状況です。多くの工場は閉鎖されています。日常的に使っている商品の値段は、どんどん上昇しています。過去の政府は、銀行から多くの資金を自分たちの活動のために使用するだけで、経済状況は、どんどん悪化していきました。テロ活動などの犯罪の激増により、法律や規則によって政府は管理できなくなっています。
 BJSDの基本的な目標と活動は、労働者に対する雇用の確保、賃金支給の確保、民営化に対する闘い、古くなった労働法の改正、などです。更に未組織労働者の組織化、職場の安全衛生の確保、政府からのきちんとした賃金のルールをつくること、そして健康保険制度の確立なども目標にしています。
 BJSDは組織化のための活動キャンペーンをやっています。教職員および研究機関の職員、電力部門の労働者は、労働組合を結成することを許されていませんので、政府に対して団結権を与えるよう要求しています。

ジャティオ・スラミク・リーグ(JSL)
シュルタン アハメッド

水資源開発公社労働組合/委員長

 

国内の状況

 現在のバングラデシュは政治的に様々な問題を抱えています。政治状況は、2001年10月の総選挙でバングラデシュ民族主義党(BNP)が地すべり的勝利を収め、アワミ連盟に代わって政権を奪取しました。選挙管理内閣の時から治安が悪化し、それが継続して新政権が発足した後も厳しい状況に陥っています。政治的不安定の中で殺人、強姦、テロ、略奪、子どもの強姦、女性抑圧、麻薬の売買、誘拐、ゆすり等、様々な種類の犯罪と弾圧が行われています。そのために、国民の生活は危険な状況に陥っています。
 経済は、自由市場経済への移行期にあります。そのため、危機的な段階に達しています。民営化が進む中で、多くの工場が閉鎖されました。私の部門である水資源開発も民営化されました。そのため、多くの労働者が失業しています。
 改革、再編成の名のもとに、多くの工場が閉鎖されてきています。バングラデシュ最大のジュート工場であったアダンジー工場では、3万人の労働者が働いていましたが、その工場は現在閉鎖されてしまいました。工場閉鎖で多くの労働者が仕事を失ったばかりでなく、ジュートを栽培していた多くの農業労働者とその家族が、生活の糧を失ってしまいました。BNPに率いられた連立政権が発足して以来、他の政党に属するほとんどの労働組合が乗っ取りに遭いました。労働組合の指導者や組合員が理由もなく他の組織に移動させられたり、契約解除されたり、解雇されたり、不必要な嫌がらせを日常的に受けるようになりました。生活必需品の価格が高騰し、労働者の生活は非常に厳しくなっています。一般の労働者は、悲惨極まる生活を強いられています。しかし残念ながら労働組合には、このように労働者を逆境に追いやっているようなさまざまな問題と闘っていくだけの力がありません。最大の産業である繊維衣料部門でも政府に属する部門では、実質的に労働組合を結成することができない状況にあります。このため、人権の侵害があらゆるところで起こっています。

JSLの活動方針

 1.賃金及び労働条件の改善。2.児童労働との闘い。3.搾取に対する闘い。4.労使関係を強化すること。5.法律に関する支援、そして災害時における支援。6.インフォーマルセクターの未組織労働者の組織化。7.労働組合運動を確立し、また国際的な連帯を強化する。8.労働組合権と人権の確立。
 これらの方針を実現するために具体的に以下の運動を行なっています。1.新しい賃金委員会を要求すること。2.民間部門の労働者の最低賃金を宣言すること。3.ILO条約182号(最悪の形態の児童労働の廃止)に従って法律を制定し、それを実施すること。4.輸出加工区における労働組合権を確立すること。5.現在の労働法の改正とその基本的な原理の宣言との関連において、それを実施すること。