2009年 カザフスタンの労働事情

2009年9月11日 講演録

カザフスタン労働組合連合(TUFK)
グルナラ・アマンゲルデイェーナ・ズマゲリデイェヴァ

社会経済的保護・労働監督局 局長 

 

国内の労働事情

 カザフスタンの人口は約1,500万人。労働力人口は840万人。就業者数は780万人。法定最低賃金は91米ドル。労働者の平均月額賃金は460米ドル。雇用労働者数は520万人で、そのうち労働組合員数は約200万人で、組織率は42%。

労働組合が抱える諸課題と解決のための対策

  1. ディーセント・ワークを確立するために最重要視しているのが賃金問題である。
    • [1]最低賃金と最低必要生活費の下限の引き上げ。
    • [2]使用者に対する賃金未払いの解消。
    • [3]賃金支払いシステム・昇給システムの確立。
    • [4]ILO条約第26号「最低賃金設定手続き」と第95号「賃金保護」の批准運動の展開。
  2. 民間部門と公務部門との間の賃金格差の解消
     一般の国家公務員や地方公務員の賃金は民間部門と比べて賃金格差は見られないが、公務部門の教師や医師の賃金は民間部門と比べて格差があり、その解消に努めている。
  3. 労働市場に関する政労使三者合意文書2009-2011の締結
     三者合意文書では、労働市場の調整、雇用保障、失業対策についての三者の義務を規定し、国民雇用プログラムの中で雇用の創出および維持、人材の教育・訓練、解雇労働者に対する技能訓練、労働移動の調整を規定した。
  4. 政府と共同で大規模外資系企業の労働法規違反の監視を実施。違反には賃金未払い、労働安全衛生違反などが含まれる。
  5. TUFKによる全国的社会基準の策定と政府に対する要求
     2007年9月に、TUFKは賃金、年金、社会保険、国民に対する社会的サービス、医療・教育サービス、マーケット・バスケット(一定の生活水準を維持するために不可欠な必需品やサービスおよびそれらの評価額)、住宅や公共生活サービスの提供などを含む全国的な新社会基準を策定し、政府に提出。現在それらを基礎に政府内で作業が進められている。
  6. 社会的パートナーシップ制度を通じて全国基本協定が締結され、その延長線上で産別協定、地域別協定が締結されている。
  7. 労働協約は労組の存在する全事業所で締結されている。

国際活動

 旧ソ連邦の共和国レベルの労働組合で組織するGeneral Confederation of Trade Unions(GCTU)にも加盟し、ロシアとの関係を維持している。