2001年 カザフスタンの労働事情

2001年2月7日 講演録

カザフスタン労働組合連合(TUFK)
カイラット・サディコフ

カザフスタン労働組合連合会長補佐

 

国内の状況

 カザフスタンの面積は272万平方キロメートルで、人口は1,490万人。もともとのカザフスタンの民族はカザフ人です。全人口にカザフ人の占める割合は50.6%、そしてロシア人の占める割合が32.2%、そのほかの民族が17.2%です。
 20世紀最後の10年間はカザフスタンの労働組合にとっては改革、活動、改善の時期で、また、新たな活動体系、活動手段を模索する時期であったと言えます。また、カザフスタンは独立して間もない若い国で移行期にあるので、いろんな形での社会改革、経済改革が行われていますが、それに伴う問題も生じてきています。そして2001年、カザフスタン独立10周年を迎えます。

TUFKの活動

 我々のカザフスタン労働組合連合も2000年に設立10周年を迎えました。現在、国内では一番大きな労働者の組織です。TUFKには230万人の会員がおり、この数は、労働者、学生等全体の87.9%にあたります。この中には自主的に加盟した地域組織も含め、地方組織30、州レベルの組織が14、そして、企業別組織として2万700組織が加盟しています。
それに加え、町レベル、地区レベルの組織が529、そのほかの組織が123です。本部はカザフスタンの現在の首都アスタナにあります。以前の首都アルマアタにも代表部があります。TUFKのシアズベック・ムカーシェフ、会長は1992年の大会の選挙で正式に選ばれ2000年5月の第18回大会で再選されました。
 現在、私どもの連合は国際的な協力関係の促進に努めています。まず、ロシアの労働組合総連合やユーラシア経済協力機構の各国のナショナルセンターとの協力関係、CIS諸国との協力関係、そのほかに中国、トルコ、モンゴル、イスラエル、ベトナム、インド、北朝鮮、日本、デンマークその他の国々との協力関係を促進しています。国際組織ではICFTU、そしてILOとの密接な協力関係も保っています。
 連合として新聞、ゴーラスアジネットと、情報紙を定期刊行物として出しています。国内での労働組合の活動は基本的に1993年に採択された国の労働組合法にのっとって進められています。また、現場での具体的な活動に関してもさまざまな取り決め、法律がありますが、93年に採択された労働法、96年制定の社会団体法、団体協約法、団体争議ストライキ法、労働保護法、そのほか関係法律などです。
 国会の中には労働組合が推薦した議員が所属しているトルート、労働という意味の、17名の議席を持つ政党があります。こういった政党を通して労働組合、また連合として社会的に重要な、労働者の権利、利益にかかわるような法案の検討を重ね、国会に提出しています。
 2000年の第18回大会で憲章が採択されました。この憲章の目的、課題にのっとって全組合員また関連組織が、活動を展開しています。
この大会で、2000年から2005年の行動計画、プログラムも採択されました。このプログラムでは新たな政治的、社会的、経済的な課題労働組合が取り組むべき課題について述べています。
 政府は2000年に、カザフスタンにおける社会的パートナーシップに関する法律を正式に採択しました。この法律により三者主義に沿った社会的対話が行われるようになったことは、社会問題、労働問題に関して非常に重要なことだと考え、またそれが具体的に国の政治にも反映されるようになりました。この法律の中には基本的な社会的パートナーシップに関する原則が盛り込まれています。その原則の中には三者の平等、提起すべき問題の自由選択権、それぞれの代表が持つ義務、三者代表それぞれの利益の尊重、法律の遵守、率直にお互いが会話していく等の内容が盛り込まれています。このような形でこの三者委員会が政府・労働者代表・経営者代表により開催されるようになったことは、非常に重要
な役割を果たしていると考えています。
 そして、新しく採択された労働法の中でも社会的対話ということがうたわれています。この法律では、カザフスタンが今後市場経済主義の方針に沿って運営されていくということが明らかにされています。

社会・経済の情勢

 改善も行われていますが、まだまだ我が国の労働者の社会的情勢、また経済的情勢は非常に複雑な問題を抱えています。ここでカザフスタンの社会的、経済的成長を示す指標についてお話しします。
 まず、国内総生産は、2000年において10%以上の向上がありましたが、まだ低いレベルにあると言わざるを得ません。インフレ率は昨年9%以下にとどまりました。カザフスタンでは1999年に初めて10億ドルの融資をヨーロッパ復興開発銀行から受け、これは共和国、CIS諸国の中ではトップに立っています。そして、2000年には全体の投資額は31.9%増加しました。
 雇用センターで発表された失業率は、2000年12月末のデータでは23万1,400人で、前年度と比べて1万500人減っています。公式的、。な失業率は労働力人口に対して3.7%です平均賃金は約100ドルで、それに対し国民1人当たりの最低生活費が30ドルです。最低賃金が月24ドル、最低年金額が月27ドルで、これはかなり低いレベルです。
 まだまだ我が国は完全に社会的に安定したとは言えず、TUFKにとって一番重要な課題として、労働者の社会的、経済的情勢を向上、改善させていくことがあります。この優先課題は、第18回大会で採択された宣言決定アピールの中に明記されています。