2010年 トーゴの労働事情

2010年2月19日 講演録

トーゴ全国労働組合総同盟(CNTT)
ハングバンデ カバッセム

トーゴ全国宝くじ労働組合 書記長

 

1. 労働情勢(全般)

 雇用状況については全ての年齢層でバラ色とはいえない。中でも若者の雇用がなく、困難な状況である。労働人口の32%以上は若年失業者である。そして、この若年失業者の多くが、そのまま45歳~49歳となってしまっている。結局、失業の長期化により、しっかりした構造基盤がなく、規制も働かないインフォーマルセクターで収入を得るしかない状況にある。
 国は時々行政部門で採用試験を行うが、採用枠に比べてあまりにも失業者が多すぎるために、失業者を吸収することがまったくできていない。
 この状況は、まず、マクロ経済が失業を呼び込む状態にあること、そして人口構成からも失業が多い状況に陥りやすいこと、また、構造調整がこの失業問題を引き起こしたともいえる。加えて、アフリカのCFAフランの切り下げも関係している。社会的・政治的な様々な側面において不安定であり、西側諸国とトーゴの間の協力関係が破綻した要因もこの失業問題につながっている。

2. 労働組合が現在直面している課題

 90年のトーゴ労働者全国同盟(CNTT)の分裂後、労働者とその雇用を守ることができない政治色の強い数多くのナショナルセンターが誕生した。そして、ナショナルセンター間の競合も激しくなってきた。この状況の中で、組合費のチェックオフ制度を導入しようとしたところ、政府が認めなかった。これまでも国家と組合の間で交渉が重ねられたが、時が経つうちに国も労働者も使用者も関心を失い、チェックオフ制度の問題は宙に浮いたままになっている。労働者も次第に労働組合の活動に関心を失い、組合費を払わなくなってきている。

3. 課題解決に向けた取り組み

 このような状況の中で、組合は、みんなで力を合わせれば、もっと強力になれることを自覚し、6つのナショナルセンターを統合して、大きな1つのナショナルセンターを作った。
 そして、この新しいナショナルセンターで、政府と全国使用者協議会および労働組合組織の三者間の合意書の締結にこぎ着けた。合意書はソーシャルダイアローグ、つまり三者間の対話を社会的条件の向上を図る道具として活用していくことが目的であり、また社会経済面での向上を目指している。
 この合意から3年経ったが、進展には遅々たるものがある。様々な約束事があったが、その締結された約束のうち25%が今日実現している。

4. ナショナルセンターと政府との関係

 政府との関係について、まとまった報告はないが、前項3の取り組みに記述したように、統合して作った新しいナショナルセンターと、政府、使用者との三者間協議と合意書の締結の実現において、一定の関係性をみることができる。
 そして、この三者合意によって、常にソーシャルダイアローグを行い、様々な労働問題について意見交換し、信頼の土壌を醸成し、互いに取り交わした協定を尊重することを理念に掲げている。

5. 多国籍企業の進出、労使紛争の状況

 失業者が多い状況の中で、国家には、多国籍企業を何とか活用して問題解決を図ろうという動きが見られる。トーゴ政府は過剰な求職者の大部分を吸収できた数多くの多国籍企業を保護している。これらの企業は途方もない優遇措置を受けて、非人間的な条件と規則で労働者を採用している。