2004年 セネガルの労働事情

2004年7月14日 講演録

セネガル全国労働組合同盟(CNTS)
ラマタ シラ

中央病院労働組合 副事務局長兼CNTS女性委員

 

CNTSの概要

 セネガルには16のナショナルセンターが存在します。しかし、信頼性の高い統計データがないために、国全体の労働組合加盟人数は把握されておりません。
 セネガル全国労働組合同盟(CNTS)は65の加盟労働組合組織と6万人の加盟組合員を有しています。セネガルの11の地方に組織を持ち、その意味においてはすべてのナショナルセンターの中でリーダー的な存在であり、代表として最もふさわしい組織です。70%の労働者が首都ダカール地域に集中しているとはいえ、地方組織はすべての活動分野を組織しています。
 CNTSの優先課題は、主に加盟組合員の教育研修、社会福祉の充実、労働者の購買力の改善、低コストの住宅の供給、貧困・失業対策、HIV/エイズ対策、女性のエンパワーメント、識字率の向上、特に若者の識字率の向上です。
 経済面においては、CNTSは、企業閉鎖で失業した労働者のために収入を創出する活動を行い、失業者や女性が社会からの疎外に立ち向かうために社会経済プロジェクトを行っています。
 政治面においては、CNTSは1969年の創設以来与党であった社会党に加盟していましたが、2001年11月に開催した大会でCNTSはその政党から脱退を決定しました。つまりCNTSは自主的なナショナルセンターとなり、すべての政党、またすべてのグループの圧力から独立しました。CNTSはセネガルの市民団体と連携し、社会的また人的、司法的な権利の遵守のための闘いに参加しています。
 職場における安全衛生に関しては法律により、企業は従業員の代表と管理部の代表との共同で安全衛生委員会を設置しなければならないことになっています。
 セネガルではインフォーマルセクターが極めて重要であるために、CNTSの事務局の中にこのインフォーマルセクターを担当する部を設置しています。
 セネガルにおいても児童労働が深刻な問題であり、CNTSの指導者にとって最も重要な懸案事項であるため、CNTSとしてはすべての会合や会議の場で児童労働の問題に関して議論することにしています。セネガルにあるILO事務所と協力し、CNTSは最悪の形態の児童労働対策プログラムのメンバーになっています。

所属単組について

 私はダカール中央病院労働組合に属しています。ダカール中央病院は1890年に建設され、フランスとセネガルの国際協力によって運営されている公共保健機関です。この病院はセネガルでも最も技術が駆使された病院であり、アフリカのこの地域ではモデル病院となっています。この病院はダカール地方の最南端に位置し、6ヘクタールの面積を持つ大西洋に面した病院です。自動車道路も通っており、大統領宮殿から300メートル離れたところにあります。この病院は軍隊の指揮のもとに置かれた病院です。
 私はこの病院に採用された後、1980年より従業員の代表となりCNTSの活動を行い、また現在は中央病院労働組合の執行委員兼副事務局長をしています。この労働組合においては、毎週木曜日12時半から3時半まで事務局のミーティングを行い、病院のすべての問題について話し合いをします。また、毎月第2金曜日には病院長とミーティングを行い、その場で病院の問題やスタッフの問題などについて話し合っています。
 四半期ごとに組合員に報告し、組合員の意見を吸い上げるための総会を開いています。3年に1回従業員代表選挙があり、最近では2004年6月10日に行われました。その際、我々の組合が9議席のうち7議席を獲得しました。
 そして我々の労働組合は、もし組合員が望むならばその人たちに宗教的な研修活動を行い、非識字者には英語やフランス語の授業を行い、また保健に関する授業も行っています。加盟組合員のために連帯資金を設け、それにより加盟組合員が土地の一角を持ち、家屋を建て、食料の購買グループをつくる協会を設立しました。
 財政が限られている現状にもかかわらず、労働組合は福祉事業に目を向け、特に活動の中で非常に遠いところにある貧しい人々に手を差し延べる活動も行っています。この貧しい人たちは、ダカールから800キロほど離れたサレマタというところの人たちで、アクセスが非常に難しい地域です。この地域は山の起伏が大きく、河川があるためにアクセスが難しいため、地域の人々は医療や教育をうけるのが難しいというのが現状です。
 去年よりこの地域に赴いて現地の住民に薬を届けていますが、我々の目的はその地域に保健所、教室、また1つの村に1つの井戸を掘るということです。現在井戸がなく地域住民は川の水を飲んでいるため、井戸を掘ることが我々の目的なのです。
 これから始まる3年間の任期の中で展望し、願っていることは、加盟組合員に対する貯蓄貸付の共済を設けること、また病院内におけるエイズ対策委員会をつくることです。