2000年 ニジェールの労働事情

2000年7月5日 講演録

イスフ・シディベ
全国税務職員労働組合事務局長兼USTN 執行部副議長

 

ニジェールの労働問題

 ニジェールにはナショナルセンターが2 つあります。1 つはCNT という組織で、主に民間部門、そして若干の官公労を組織化しています。組織の規模としてはUSTN のほうがはるかに大きい組織です。
 ニジェールの雇用問題は、現在非常に困難な状況にあり、失業率も日に日に高まっています。失業者には2 つのタイプがあり、まず第1 に、経済の不況によって生み出された失業者、学校は出たものの職が見つからないという青年層の失業者です。そうした失業問題をどうするかはUSTN の主な課題の一つです。
 それから労使関係ですが、USTN と経営者との関係、そして労働組合と政府との関係については、また2 つのタイプに分けられます。安定的な関係を持つ意味では、さまざまな審議会や評議会に私たちの労働組合からメンバーを選出し、共にテーマを審議しています。例えば、国家レベルの問題について話し合うために閣僚会議、また労働問題審議会と、公務員問題審議会にも代表者を送っています。それからソーシャルダイアローグ審議会、社会対話審議会というのもあります。このソーシャルダイアローグ審議会というのは、ICFTU のイニシアチブで設立されました。
 一方の対立的な関係については、特に構造調整、民営化に関しての労使関係、対政府関係が挙げられます。現在、多くの企業で民営化が進められ、労働者と経営者との間で、話し合いが行われていますが、これは特に我々ナショナルセンターが経営者団体に働きかけて、話し合いの場を持つことができるようになりました。
 民間部門ではこの交渉の問題は、あまり起きていません。私たちの労働問題は、特に官公労部門での問題が多いのです。ここ10 年ほどの間に特に問題となっているのは、政府が不安定なために公務員の給与が十分に支払われていないことです。現在では、12 カ月の給与支払いの遅延が生じています。この12 カ月の給与支払いの遅延問題を解決するために、我々としては新しい措置をとることにしました。すなわち、現職にある国家公務員全員のストライキです。この給与支払いを要求するために私たちは国家公務員、地方公務員全員のストライキを進めました。今年の6 月1 日からこのストに入っています。また、公務員について非常に問題なのは、この3 年ほどの間全く昇給もありませんし、配置の見直しといったことも行われていません。
 こうした問題について12 の項目の合意書をつくり交渉を重ねてきた結果、1 つの点、公務員の給与を30 %の減額した上で支払うということについては、合意できたのですが、物価も上がっていますし、加盟組合の中にはまだこの合意について異議を唱えるところもあります。また、公務員の場合、勤続30 年を経たら自動的に定年ということについても、その定年を迎える際に3 カ月分の退職金を支払うという項目がありますが、本来は12 カ月分の給与が支払われるはずだということで、その合意点を拒絶するところもあります。もう一点、3 年間昇進やキャリアの積み上げなどを凍結するという政府の姿勢に対して、これを撤廃しようという要求を出しているところもあります。政府はその要求に対しまして、検討するという答えを出してきましたが、そもそも3 年間のキャリアの凍結というのは、法的にも違法なことですので、強烈に反対している組合があります。
 さらに、我々が政府に要求しているのは行政改革です。そして年金も支払われていないので、この支払いをも速やかにするように要求しています。今申し上げましたのが日本に来るためにニアメーを出発する直前まで抱えていた現在直面している主な労働問題です。