2010年 マリの労働事情

2010年2月19日 講演録

マリ全国労働組合(UNTM)
アルマミー ディアネ

自由情報・出版全国労働組合 副書記長

 

1. 労働情勢(全般)

 労働事情は非常によくない状況にある。1980年代に実施された構造調整計画の失敗により、多数の失業が出ており、それは現在も続いている。毎年、高等教育を受けた若者が社会に出ようとしても、職が見つからない状況にある。民間部門の雇用能力は非常に低く、近年はインフォーマルセクターが激増している。
 こうした雇用不足の状況に対して、政府は積極的な対策を打ち出した。特に若年層のための雇用職業教育省という新しい省を創設した。また、若年層を雇用する企業に対する優遇策をとった。

2. 労働組合が現在直面している課題

 第一に重要な課題として、労働者の組合教育の欠如を挙げることができる。労働者を動員することは簡単だが、組合の権利と義務を知っている者は稀である。また、労働者に購買力がないことは国が労働市場において何の力も持たないことと関係している。企業間の競争のあり方も非常に不当なものがある。

3. 課題解決に向けた取り組み

 労働者教育は、リーダー格となる労働運動のリーダーを育て、教育し、そして、その人たちが一般の組合員を教育していくという二段階のステップで考えている。フリードリッヒ・エーベルト財団が大変大きな援助を行い、公共機関と企業内部の学習サークル創設を支援している。
 企業間の不当競争行為については、使用者代表と労働組合との間で協定を結んで対策を行っている。これについては、政労使間で既に理解を得ているので、現状を改善していきたいと考えている。

4. ナショナルセンターと政府との関係

 マリでは、政府と組合の関係はそれほど悪くはない。2007年夏の「成長のための連帯協定」のおかげで、国と使用者と組合の間の理解が定着している。

5. 多国籍企業の進出、労使紛争の状況

 多くの多国籍企業がマリに進出しているが、これらの企業と大きな衝突はない。これは進出している全ての多国籍企業の従業員が大きな動員能力を持つUNTMに加盟していることによる。