2007年 マリの労働事情

2007年11月14日 講演録

マリ全国労働組合
Fousseyni Toure

 

国情説明

 アフリカ大陸中央部に位置する大変貧しいフランス語圏の国。面積は120万平方キロメートル。政治的には安定しており、労組も安定しているため、多くの国々の投資を招いている。

労働事情説明

 第1期、1945年から60年までの間は、旧宗主国によってわが国、また労働組合も支配されてきたため、労働者は極貧状態におかれ、その中で団結することを学んだ。かつては、わが国はスーダンと呼ばれていた時代、労働者が結集してスーダン労働者総連合(UGTS)を結成。これが1960年の独立戦争の際に大変活躍した。この間、フランスCGTその他の労組から多くの支持を受けた。独立直後の政治的指導者はすべて労働組合出身者で占められていた。当時は経営者団体、即・国家を意味し、したがって労使問題とはつまり国家と労働組合との問題でもあった。
 第2期の1963年、このUGTSが形態を変えてUNTMになった。
現在このナショナルセンターには国に存在するすべての産業、すなわち農業、あるいは鉱山・鉱物資源開発関係、運輸関係、あるいはテレコミュニケーションなど12の産別組織が加盟している。現在の政治的指導者はすなわち労働組合、あるいは労働関係組織の指導者でもあるため、現在のところ組合として、あるいは政治面においても大きな問題は抱えていない。
 1960年から89年にかけて、ムッサ・トラオレ大統領の専制支配に抵抗して国の体制を変えることになったが、ベルリンの壁が崩壊したことによってその影響はわが国にも及び、労働者も通りへ出て複数政党主義、あるいは複数主義を堂々と要求するようになった。当時、体制側からの弾圧も激しく、多くの労働者が戦車にひき殺されるなどの弾圧を受けたが、幸い労働者が最終的な勝利を得ることができた。
 そして第3期の1991年には民主的な制度がしかれ今日に至ったものの、この民主化は私たちが十分準備しまた期待したものでもなく、多くの問題に直面している。すなわちIMFや世界銀行から要求された構造調整の失敗、多くの民営化、あるいは公営・国営企業を十分な利益無しに売渡してしまうことに、私たち全国労働組合(UNTM)は闘争を展開してきている。その中で、労働者の現状認識を深めるため「社会的な成長、そして発展、そして連帯」というスローガンを掲げた「社会憲章」を提起している。
 生産性本部でも学んだところだが、公正な成果の分配なくして労働者の生活向上はない。したがって多くのストも発生するし、一方、ストライキがない、あるいはストが減るということは、すなわち成果が公平に分配されていること意味する。
 ただ、わが国ではグローバリゼーションの進展によって、エネルギー部門、運輸部門、鉱山開発部門、農業、テレコミュニケーションの分野で、さまざまな問題が発生してきている。私たちは国家との闘争、あるいは国家に対しての要求を通さなければいけないということと、同時にグローバリゼーションに対しても闘争を展開していかなければならない。
 このグローバリゼーションに対してどのような対策をとるかといったことについては、ぜひこの場でさまざまな意見交換・情報交換を期待している。