2010年 コートジボワールの労働事情

2010年2月19日 講演録

コートジボワール労働総同盟(UGTCI)
アポ デルフィーヌ アデライド アシー

コートジボワール労働総同盟(UGTCI) 事務局長補佐

 

1. 労働情勢(全般)

 コートジボワールでは、建国以来、初のクーデターが起きた1999年以降、企業の倒産や海外移転、長期の強制休職や失業などで経済状況が悪化し、国民の中でも特に労働者は悲惨な状況にある。

2. 労働組合が現在直面している課題

 コートジボワール労働総同盟(UGTCI)を筆頭とする各ナショナルセンターは、内戦でダメージを受けた国家経済を立て直し、投資を呼び戻すために、安定した労使関係が不可欠と考えている。最大の危機が過ぎた後の雇用戦略を立てるべく、ILOの支援によって、我が国に、ナショナルセンター間協議会が設立された。
 また、政労使三者の協議会制度が導入され、2009年には合意書に署名がなされた。重要なことは、国家プログラムが策定され、貧困削減対策が採択されたことである。
 6度に渡って延期された選挙が2010年3月に実施され、選挙に勝利した政党によって、短期、中期、長期の開発計画が策定されると考えている。

3. 課題解決に向けた取り組み

 複数の労働組合が存在する中で、UGTCIは労働者の80%を組織する最大のナショナルセンターである。指導力を発揮して組合員の要望に耳を傾けるようにしている。労働組合員の利益擁護のために、IT基本計画の策定を準備しており、それによって組合員の声をリアルタイムで聴いて対応していきたいと考えている。
 そして、私たちは、組合員の職業能力の教育と、労働者教育のために全国労働者教育センター(CNEO)を作って、労働者が能力を現状に即したレベルまで引き上げられるよう対策をとった。

4. ナショナルセンターと政府との関係

 政府との関係は、2008年7月17日~18日の48時間ゼネスト以降、強化されたと考えている。そして、現在、次のような様々な関係がある。

  • 労働関係当局との直接的な関係
  • 様々な労働組合が参加する労働諮問委員会に正会員として参加(CCI)。
  • 労働に関連する全ての経済的、社会的、政治的問題の調整機関である全国労働評議会(CNT)に正会員として参加。
  • 日常の現実について情報交換するためのプラットフォームを労使双方に提供する「独立常設協議委員会」の設置。

 この「独立常設協議委員会」は、最低賃金、農業最低賃金、最低賃金一覧表の見直しを行い、労働者の給与の調整や増額に関する産業部門レベルでの合意を成立させる役割を持っている。

5. 多国籍企業の進出、労使紛争の状況

 国際的企業は、コートジボワールがアフリカ西部を牽引するだけの経済力を持っていると考えている。利益対立はあるが、それは主に苦しい経済状況に起因するものである。現在はまとまりを失っているが、近い将来には行政が再編され、全ての経済活動が安心、安全な環境のもとに再開されるべきである。実際のところ、投資家が求めているのは、「安心」である。