2006年 ジンバブエの労働事情

2006年7月5日 講演録

ジンバブエ労働組合連合(ZCTU)
Ms. ジュリエット ジェンベレ

 

 ジンバブエにおける労働運動は現在様々な問題・課題に直面している。
 様々な努力にもかかわらず労働者が苦しめられ、生活を困難にしている原因について説明したい。
 まず経済的困難として、生活費が上がり続けて労働者に打撃を与えおり、家族にも影響が及び、ある程度の食事を得ることさえもできない状況である。
 基本的な商品は、多くの人の手に届かないほど値段が上がり、市場自体にも物がない。これらの状況の中で、労働者は仕事に集中できないだけでなく、次に何をすべきか思案している。
 インフレはますます高騰し、これまで経験したことのない史上最高の1,193%までになっている。
 ほとんどの企業は閉鎖し、他国に企業・工場を移すか、規模を縮小している状況である。
こういった状況は、ZCTUと加盟組合数に影響を与えている。ZCTUと加盟組合は組合費で何とか生き残っている状況である。
 失業については警鐘をならすべきレベルに達しており、現在85%の人々が非正規で採用されており、就学中の人たちにとっても将来正規の雇用をうけられる望みはない。
 HIV/エイズの流行により、労働運動に影響が出ており、若い犠牲者がかなり増加している。また、多くの子供たちが家庭に残され、家長として生きていかなければならない状況におかれている。
 実際に、熟練労働者が死亡することにより生産に影響がでている。
 エイズ患者への抗ウィルス抑制剤の有無にかかわらず、きちんとした医療・バックアップ体制がないため患者である労働者は恩恵を受けることが出来ない。また、農場における児童労働問題が増加している。若年層の中には、非常に悪い性的行為やドラックにおぼれる者も増えている。
 現在、企業のほとんどが臨時労働者で占められている。厳しい経済状況の中で国内に臨時労働者が増え、労働者は自分の将来が全く読めない状況にある。団体交渉により協約を結んでも、インフレの継続的な上昇によって協約で得たものが失われ、持続不可能となっている。使用者側は厳しい経済環境を言い訳にしている。政府は労働者が団結争議することを不可能とした、労働者にとって不利な法律を設定していた。労働者がストを決行する場合には労働者は投票によりストライキの必要性を示さなければならないことになっている。
 また、労働組合は自由に組織化できなくなっている。また、ストを決行するには警察に知らせることが必要となった。警察は労働組合の権利に対し干渉しているわけである。
 また、ZCTUに対し政府の干渉がある。政府が労働者を通して、ZCTUの運営に干渉している。そのやり方は捜査官を指名しその捜査官が実際に受け取ったと主張する虚偽の報告書を政府が発表するわけである。
 その上、労働組合リーダーに対する嫌がらせ逮捕が起きており、ほとんどのリーダーが、理由もなく警察に逮捕されるか、嫌がらせを受けている。この内数名は4日以上拘留されている。
 こういったことは、労働者の組合活動に参加する意思をそぎ、組合活動への参加は恐ろしいことだと印象付けることを意味している。