2010年 ザンビアの労働事情

2010年10月8日 講演録

ザンビア労働組合会議(ZCTU)
ヘレン・バンダ(Ms. Helen Banda)

ザンビア・グラフィック関連労働組合(ZAGRAWU)支部組合員 

 

1.労働組合の現状

 ザンビアには現在35の登録された全国産別組織が存在し、そのうちの25組織がザンビア労働組合会議(ZCTU)に加盟している。残りの10組織は第2番目に大きいザンビア自由労働組合連盟(FFTUZ)に加盟している。労働組合員数は漸減しており、1999年時点で23万4,500人、組織率は約50%であった。

2.労働組合が直面する課題

 労働組合が現在直面する課題は多数ある。民営化された企業並びに多国籍企業内における労働者の組織化の難しさ、労働組合員数の減少、ILO条約に違反する労働法の改正、雇用の不安定化(臨時労働者化)、労働仲介業者の暗躍、低賃金、労働者に蔓延するHIV/エイズの問題などである。

3.労働組合の対応

 これらの課題にザンビアの労働組合がどのように対処しているかと言うと、第1に国際産業別組織(GUFs)を通じて多国籍企業とグローバル協定を結ぶこと、それらを通じてグローバルな組織化キャンペーンを行うこと、そして、ILOへの提訴を通じてザンビア政府が現行の労働法を廃棄してILO条約を順守するよう働きかけていくことである。また、雇用確保のための活動もある。特に鉱山における労働者仲介業を禁止するよう政府にロビー活動を行っている。賃金及びサービス条件の向上・改善のため、争議や団体交渉の強化を図っている。

4.多国籍企業の問題

 ザンビアの豊富な天然資源を求めて多国籍企業が活発に投資している。中国系、インド系、カナダ系の企業は銅鉱山業に投資し、一方、小売部門では南アフリカの企業が進出している。それらの多国籍企業は寛大な免税措置を受け、免税品を輸入するなど優遇措置を受けている。
 多国籍企業における労使紛争の原因は、労働条件の劣悪さ、労働条件向上を求めて頻発するストライキ、雇用の不安定化を促進する労働仲介業者の暗躍、特に鉱山業で見られる中国系企業の安全衛生基準の劣悪さなどである。