2010年 南アフリカの労働事情

2010年10月8日 講演録

南アフリカ労働組合会議(COSATU)
アマンダ・ムキズワナ(Ms. Amanda Mkizwana)

南アフリカ商業ケータリング関連労働組合(SACCAWU)中央執行委員 

 

1.労働組合が直面する課題

 グローバルな経済危機が南アフリカ経済に大きな影響を与え、失業者が大幅に増大し、失業率が上昇した。
 労働組合が現在直面する最大の課題は人員削減と失業者の増加である。企業のリストラに伴う大量解雇や労働者仲介業の問題がある。この労働仲介業は労働組合員に最も不利益をもたらす問題となっている。労働者がストを行っている際に、労働者仲介業者がスト中の労働者に代わって新たな労働者を現場に連れてきてしまうからである。さらに労働組合の課題として労働の不安定化、すなわち常用労働者の臨時雇用労働者への切り替えの問題がある。これが、いわゆるワーキングプアを生みだしている。また、労働組合潰しの問題も常に起きている。

2.労働組合の対策

 課題解決には労働組合の強化が何よりも必要であり、労働者の力を結集するための組織化キャンペーンを展開している。また、政労使三者間の対話の促進し、国家的な枠組み協定を締結することをめざしている。合意がなされない場合には、ストも辞さない覚悟である。さらに、政府機関に対するロビー活動を行っている。

3.労働組合の政府との関係

 南アフリカ労働組合会議(COSATU)は現在の政権を担うアフリカ民族会議(ANC)と長年にわたり親密な関係にあり、政府と様々な形で対話を継続してきた。今年の10月22日には、ディーセントワークについて政府と対話を行った。労働者仲介業の問題についても、それを廃止するよう要求した。

4.多国籍企業問題

 南アフリカには、マスマート、ピックンペイ、その他英国系や米国系など、数多くの多国籍企業が操業している。多国籍企業の労使紛争に関しては、例えば人員削減、労働者仲介業、労働の不安定化、組合潰しの問題などが発生している。
 多国籍企業との間では、ナムパック、ショップライト・チェッカーズ、ABSA銀行、G4Sセキュアグローバルなどで、地域レベルのグローバル枠組み協定を締結している。