2000年 南アフリカの労働事情

2000年9月27日 講演録

ダニエル・モトハピン・モタレ
南アフリカ金属・電力労働者組合VAAL 州議長兼NACTU 副委員長

 

 ご存知のように、政治的にみて民主主義というものは、南アフリカにおいてまだ比較的新しいものです。政治的な状況も、まだ完全に固定化されたものではありません。また、憲法も新しく書きかえられているという状況にあります。
 南アフリカにおいては3 つのナショナルセンターが存在しています。ただ、政治的に活発に活動しているのはそのうちの1 つだけです。それらの組合間での協議、接触というものは行なわれています。 例えば、NEDLACと呼ばれている全国経済開発労働評議会というものが設けられていて、毎月3 つのナショナルセンターから代表者を送り込んで、経済、政治、そして社会の問題について協議をしています。
 政治的には幾つかの合意が見られます。例えば雇用均等促進法、それから労使関係法において、基本的な労使関係の条件を定めることに関して合意を得ております。現在、議論になっているのが、この労使関係法の第189条を改正するかどうかということです。
 経済の状況ですが、まだ悪い状況にあります。一番大きな経済上の問題は、富がごく少数の人の手にしか渡っていない、すなわちほとんど白人しか富の恩恵を受けていないということです。

雇用創出対策

 社会的には失業率が高く、貧困もある状況にあります。例えば失業率ですが、94 年以降解雇者が、鉱山の産業において少なくとも約50 万人いるといわれています。先ほど申し上げたように、3 つのナショナルセンター、経営者側、そして政府が協力をして、雇用創出基金というものを立ち上げております。ここでは経営者側から2,000 万ランド、政府から2,000 万ランド、そして労働から約4,000 万ランドということで、全体で8,200 万ランドが集まりました。この雇用創出基金を使って、雇用をつくり出すというのが私どもの目的です。この取り組みはまだ継続していて、目標としている雇用創出に達するまでに、大体2ヵ年計画ということで取り組んでいます。あと2 年くらいはかかるだろうということです。

女性労働組合への参画、AIDS の問題

 もう一つの社会的な問題がAIDS の問題です。最近になってAIDS の治療薬ができましたが、これについては本当にうまくいくのかといった議論があります。
 私どものナショナルセンターでは、いろいろな行動計画を持っています。今年重点を置いているのが、女性組合員の教育研修です。私どもが取り組んでいるのは、できるだけ女性がそれぞれの産業の評議会なり組織のリーダー的な立場につけるように強化していきたいということです。もう一つの取り組みとしましてはウィメンズユニット、いわゆる女性局のようなものを設けました。これを組織構成の中に盛り込むことで、全国的なレベルで、女性に関する問題を扱えると考えています。もちろん、女性に関する問題も、労働組合で取り組まなければいけない、労働運動に関する問題だと思っています。AIDS の問題に関してもここでも取り組みができると思っています。