2002年 ナミビアの労働事情

2002年6月19日 講演録

ナミビア全国労働組合(NUNW)
ニディポハンバナンゴロ

ナミビア公共労働組合委員長

 

NUNWの活動方針

 NUNWは、最近のナミビアの経済、政治、社会のさまざまな動きに影響されています。現在、NUNWは、2002年から2003年にかけての賃金引き上げに取り組んでいるところです。NUNWはナミビアで7万人の労働者を組織し、最大の労働組合団体です。
 私が働いているナミビア放送協会は、財政的な困難に直面しています。ナミビア放送協会の役員の半分くらいは、不動産関係の不祥事、セクハラ、あるいは財政上の不正によって、職務を停止されている状況です。ナミビア最大の放送協会でして、500人の従業員を抱えながら、このような事態が起こっています。
 今年のNUNWの運動方針に、引き続き政府との交渉を進めていくことを掲げ、労働省との間では、労働法の改善に取り組んでいきます。現在、政府とのさまざまな交渉を行なっていますが、その内容は、労働紛争の解決は必要ではないという政府の態度に対して、NUNWとしては、それは極めて由々しい問題だとして交渉を進めています。私が日本に参ります1週間前にも、私どもの組合との紛争が起こって、その紛争解決のチームには閣僚も加わっていました。当局側はこの交渉の戦略として交渉の長期化を目論んでいます。

具体的な活動

 交渉しても紛争が解決されないとき、その紛争の解決のために調停や仲裁に託されます。労働委員会を通じて、紛争の解決がなされます。そのような手段を通しても紛争が解決されない場合には、ナミビアではストライキ権が認められていますので、ストライキという手段を用います。
 次に、私が直接加盟している労働組合について申し上げます。私はナミビア公共労働組合(NAMIU)の書記長を務めています。これはナミビア音楽産業労働組合です。NAMIUは、ナミビアの音楽産業の振興を目指して活動しています。音楽家及び音楽関連の労働者に対して、権利を守るためのさまざまなアドバイスをしています。ただし、音楽産業自体がまだ高度に発展しているわけではありませんので、あまり有効な活動ができていません。それゆえに業界に働きかけて、音楽産業がもっと発展するように活動をしています。
 何よりもメンバーのほとんどは音楽関係の作家の協会であるNASCAMの会員であります。このNASCAMは、音楽家、あるいは音楽関係の労働者にかわって、著作権料の徴収と再分配を行っています。NASCAMの徴収した著作権は、約100万ナミビアドルです。
 ことしの活動方針の中で、特にミュージシャン、プロデューサー、振りつけ師、その他音楽技師などの組織化に力を入れています。また、プロデューサー、プロモーター、そしてその他の音楽関係の技師たちに投資をし、またスタジオの建設、特に地方での劇場の建設に資本を投資するように活動しています。
 これらの活動はNUNWからの援助資金で行っています。そのキャンペーンの内容は、意識向上キャンペーン、これは音楽家及び音楽関連労働者の権利に対する意識を向上させることであります。WIPO、これはジュネーブに本部のある世界知的所有権機構ですが、あるいはCICAC、これは作曲家あるいは音楽関係の作家のためのフランスにある協会ですが、こうした世界的な機構を通じての権利保護の活動をしています。そして、放送局、店舗、ホテル、ディスコ、さまざまな音楽使用者が、その著作権を毎月、あるいは四半期に1度、あるいは年1回、協会に払うようにというキャンペーンを行なっています。
 NAMIUの行なっている活動は、現在の知的所有権に関する世界の趨勢と一致しています。ナミビアで日本の音楽を使用すれば、当然日本の協会に、その著作権を払います。ナミビアでも、さまざまなエレクトロニックを使った機器を使用していますが、勝手にコピーをすることはできません。音楽の著作権を守るNASCAMあるいはCICACの活動を通じて、ナミビアでの知的所有権の保護に当たっています。
 活動はこうした音楽の使用者のみならず、彫刻家とかあるいは俳優とかにまで渡っています。また、ミュージシャン、アーティストのみならず、音楽関係の著作物を書く人たちにまで行き渡っており、放送局、お店、ホテル、テレビ局などが正当な著作権を、こうした人たちに払うようにという活動をしています。