1999年 モロッコの労働事情

1999年6月16日 講演録

モハメッド・ゼフザフ
UMTタンジェ地域支部 書記長

 

現状の問題

 モロッコ労働総同盟は、1955年に創立されました。その当時はまだモロッコが植民地支配から独立していない時期で、組合は国の独立のために働き、そして、今日も労働者の生活水準の向上並びにその精神的なレベルの向上のために闘争を続けています。我々の直面している問題は、各国と同様に、私どもにも雇用問題があります。そして、その雇用問題が直接私たちの組織上の問題となっています。私たちはこの問題の解決策として、使用者と組合の相互参加という1つの目標を掲げて運動をしています。しかし、私どもには組織上の問題があります。それは、組合活動が多党化し、一部の新しい組合が政治的な目的のために組織されているということです。そして、その数は18の組合に及んでいます。組合というのは、単なる組合か、それともフェデレーションかということを伺いましたら、フェデレーションと考えて良いということです。そして、このように組合が増えたことによって、数多くの問題を引き起こしています。
 次に、最近、大変に広く行われている民営化の問題があります。民営化により、多くの組合員が職を離れることを余儀なくされ、それが組合活動に大きな影響を与えています。今、民営化が行われている分野は、運輸、水、電気、石油販売、そして銀行の一部です。もともと民間分野という組合は、繊維、観光、それから農業、革製品、医療です。
 3点目の問題として、現在、政府は連立政権ですが、この政府との間に私どもは労働法改正をめぐる問題を有しています。政府は従来の労働法、これも必ずしも満足する法律ではないのですが、この法律よりもさらに労働者にとって不利な法案を準備して、これを国会に通そうとしています。
 この新しい法案というのは、我が国にはスミッグ(工業労働者最低賃金)及びスマック(農業従事者最低賃金)という賃金があり、それぞれ月額で日本円にして約2万円、他方は1万円という最低賃金があるにもかかわらず、それ以下の賃金でも労働者は働かせることができるということを意図しています。 また、この新しい法案は、使用者がどんな時期でも好きなときに労働者を解雇でき、そして、その使用者に対して最低賃金以下の金額での雇用契約を労働者と結ぶことができます。
 それから新しい政府、これは連立政府ですが、この各大臣は自分の主催する省の各員に対して、自分の政党に所属するようにと勧め、同時に私たちのモロッコ総同盟に加盟している省員たちを追放しようとしています。