2003年 ウガンダの労働事情

2003年6月18日 講演録

ウガンダ全国労働組合会議(NOTU)
クリスチーヌ ナンスブガ

全国協同組合活動関連労働組合 全国女性リーダー

 

 NOTUの設立は1974年、労働組合法、これは終戦後ですけれども、第29号によって設立されました。この法律は1973年のものです。現在、国全土においては、20の組合が存在します。

国内の状況

 次に、経済状況です。
 まず経済指標では、大きな改善が見られています。しかし、ウガンダでは、まだまだ貧困が日常茶飯事の問題です。自給的な農業が国民の大半の所得の基本となっています。農業は、穀物、コーヒー、綿、お茶、サトウキビ、たばこ、米、そのほかです。また、加工も行われています。商業的農業は、国の経済に大きく貢献をしています。また幸運なことに政府が農業の近代化の計画を推し進めていますが、すべての農民がこの計画について知っているかというとそうではありません。また貧しい人のほとんどが女性です。政府は貧困撲滅計画を通じて、インフラの整備、また土地を得やすくし、貸付を受けやすくできるような取り組みを行っています。さらに農業に関する研究の拡大・拡張にも取り組んでいます。また、政府は構造調整プログラムを実施しています。それ以来、利益の上がらない、費用ばかりがかかる事業が政府からは切り離されました。また同時に、国内、また国外の民間投資の機会が増加しています。政府は、雇用を創出し、税収を増やし、基本的な公益事業、電気、水道などの改善も図っています。
 うまくいっている分野もありますし、そうでない分野もあります。残念ながら雇用創出の分野においては、あまり前進が見られていません。記録上では30万の求職者が労働市場に入ったとされています。また、実質GDPの成長は5%を上回っています。インフレは約5%でおさまっています。失業率は、構造調整プログラムの開始時よりも上がっています。また労働者は、民営化という口実のもとに、雇用を失い続けています。したがって、労働組合の組合員の数も減少しています。また政府は、民間部門がインフォーマル経済でより大きな役割を果たすことができるようにしなくてはいけないわけですが、政府はその促進策をまだ十分に行っていません。
 学校を卒業した人の多くが労働市場に入りますけれども、就職先を見つけられる人はわずかしかありません。大半の人は仕事がなくて、そのまま街頭でぶらぶらしているという状況です。我が国は優秀な頭脳を失い続けています。しかしながら、社会的、経済的な発展を実現するためには、そのような優秀な人材が必要です。政府はウガンダの経済を築いていくために、もっと多くの努力をしなくてはなりません。まず、政府が戦略的に金融の支援を行っていかなくてはなりません。その支援の対象となるのは、経済のさまざまな投資部門です。このような支援策によって、民間部門が生産ユニットの数を増やしていかなくてはなりません。生産ユニットの数が増えれば、その分だけ国民にとっての雇用が生まれるわけです。これによって失業率が減少し、また多くの国民の生活水準が向上し、また税収も増加します。
 経済の発展は、世界銀行やIMFなどによって高く評価されています。この2つの金融機関は、我が国の経済発展を金融面から支えているわけですが、しかしながら、このような国際的な機関が我が国の経済発展を褒めたたえる一方で、普通の国民は経済的な成功を肌で感じることができないでいます。まだまだ貧困の問題があちこちに見られます。その経済の成功を実感できないのは、まだまだ失業率が高いということです。失業率が高いのは、構造調整プログラムが原因です。
 次に社会状況についてです。
 まず、すべての子供が初等教育を受けられるようなプログラムが導入されました。これによって、学校に通う人の数が増えました。また、貧困撲滅プログラム、そして女の子の教育に関する戦略が導入されています。国民の47%が安全な水を手に入れることができます。また、改善された衛生状況のもとで暮らすことができます。しかし、最大の問題は、水質が悪いということです。これは特に地方にとって最大の問題です。国民の90%が地方に住むということから、これは非常に深刻な問題です。
 また、医療や教育といった社会的なサービスも機能していません。8年になりますが、この教育の質というものも現在悪化しています。普通のウガンダの市民は、生活に必要な基本的なものを手に入れることができません。このために普通のウガンダの人は、例えば医療にかかるコストを負担することができないという状況にあります。民間の病院に行けば、よりよいサービスを受けられるわけですが、政府の病院は有効に機能していません、問題があります。
 また、初等教育を全員にというプログラムが導入されたのは、一歩前進です。特に貧しい人たちは、それまで子供を学校に送ることができなかったわけです。このプログラムが導入されたことによって、全国において教育に対する認識が高まりました。しかし、一部の学校は、十分に機能を果たすことができないでいます。それは施設が整わない、また資金が不足しているからです。また1つのクラスに生徒の数が多過ぎて、それを1人の先生が見なくてはならないという問題もあります。これは、教室の数が不足していることが原因です。また、民間の私立の学校は非常によいのですが、そういったよい学校というのは、普通の国民にとっては手の届かない、子供を入れることもできない学校です。また、労働組合の組合員数が大きく減少しています。これは、エイズが原因です。これは労働組合運動にとっても、また国全体にとっても、エイズというのは非常に大きな問題です。
 次に政治状況です。
 経済が発展していくためには平和と安全が必要なわけです。我が国においては、北部と北東部がまだ戦争を行っています。このような地域では、生産的な経済活動は行われていません。また120万人のウガンダ人が住む場所を追われています。またウガンダは2001年に選挙がありました。現職の大統領が当選しています。また議会選挙も行われました。ウガンダのNOTUからは、4人の男性と1人の女性が当選をしています。また、労働組合の代議員大会は2001年の9月14日からずっと中断されていましたが、この禁止が2003年の4月11日にレーバーコミッショナーによって解かれました。すべての労働組合が、選挙に向けて準備を行っています。NOTUは、民主主義を信じ、そして、平和的な権力の委譲の重要性を信じております。また、20番目の組合として結成された教員組合は、労働組合としての権利を享受しています。
 また、NSSF(全国社会保障基金)については、肯定的なイメージが持たれています。社会保障の利害関係者による移行グループというものがつくられました。このグループは、国の社会保障政策、社会保障戦略の提案を行うという責任を持っています。また、国土の大半は安定しています。ただし先ほど申し上げた地域においては、反乱が起きています。

NOTUの活動方針

 まず最初は、ウガンダの労働組合を代表するということ、そして、ウガンダにある労働組合の活動を監督していくということです。また、組合員数を増やすために、組合に対して、組織化の運動を強化するように働きかけることです。次は、意識の高い、効果的な労働組合運動を推し進めて、社会・経済における変革、そして発展に向けて前進すること、また労働者を代表する議員と連絡をとって、時代遅れとなった労働法の改正を働きかけること。以上申し上げたようなことを実現するための具体的な方策についてお話しします。
 まず、労働省と共同してNOTUは、より多くの労働組合が結成されるよう最善の努力を払っています。さらにNOTUは、加盟労働組合をスポンサーすることによって、組合員数獲得のキャンペーンを積極的に行っています。なぜかというと、労働組合の力というのは、メンバーシップ、その組合員の数にあると思うからです。また加盟組合にかわって、NOTUは資金を集めて、組合のための教育プログラムを促進しています。また労働組合のメンバーの下から上まで、全員に対する訓練と教育を行っています。そして労働者を代表する議員と一緒になって、時代遅れになった労働法の修正に向かって最大限の努力をしています。
 結論です。加盟労働組合の利益を促進し、それを守っていくために努力をしているということです。さらにウガンダの労働者の福祉の向上に向けてもNOTUは努力を行っています。また、今、申し上げたようなことを達成するためには、労働者の知識とスキルを向上することが必要になります。さらに労働法に関して、政府や業界などに対して代表を送ることによって、このような目的を達成することができると考えています。