2004年 ガーナの労働事情

2004年6月16日 講演録

ガーナ労働組合会議(GTUC)
パトリシア トゥエネボア オフォスア

ガーナ健康サービス労働者組合 全国コーディネーター

 

 まずガーナ健康サービス労働者組合の活動目的と、その中で女性委員会がどのような問題に直面しているかについて報告したいと思います。
ガーナ健康サービス労働者組合は、医療保険サービス部門の労働者を組織する労働組合です。この組合は女性のためのデスクを設けており、組合の中における男女平等の促進、さらに、女性委員会の活動の監督を主な仕事とする全国女性コーディネーターを置いています。
組合の中に女性のためのデスクを設けたのは、全国女性コーディネーターが全国展開している女性のための活動を調整し、女性に組合の活動に全面的、効果的に参加を促すことが目的です。もう1つの目的は、女性の問題にかかわっているその他の全国的な組合、NGO、公的機関、団体などとネットワークを作って親密な関係を築くためです。
そのような目的を達成するために、私は日程を組み、それぞれの事業所レベルで組合の女性を訪問をしています。訪問を通じ、特に女性を対象とした会合を開催し、その会合の中で組合運動や女性問題に対して女性の意識を高め、それらの問題に対して敏感になるように働きかけをしています。
さらに、全国女性委員会と協力し、全国10の地域全域にわたり、いわゆる諸事情に精通するためのツアーを開始しました。
さらに、女性組合員を対象とする教育プログラムの担当もしています。取り扱っている課題は、労働組合内の男女平等問題、新しいさまざまな問題、そして、国家レベルの重要な課題などです。幾つかのセミナーでは、HIV/エイズ問題、労働組合への女性の参加促進、職場での安全衛生などを課題とするセミナーを開催しています。
女性委員会の会合やその他のミーティングにおいては、女性に関連する重要なトピックについて討議が行われています。例としては、HIV/エイズ問題、強姦、セクハラ、そして、私どもの国に伝統的に伝わっている婚姻についての問題などです。また、子宮筋腫や癌、子宮外妊娠など、女性特有の病気も扱い、特定分野の専門家を招待して、それらの問題で討議をしています。
さらに、女性組合員に対し、各自の職場で自分の意見をはっきりと述べるように促すと同時に、女性に優しい、あるいは女性に関係する政策、決定事項に関して指導的立場を積極的に取るようにと促しています。女性に大きな意味合いを持つ問題は、職場での母性保護の権利の問題や女性に対する暴力の問題に対処するための運動です。
またジェンダー、いわゆる性の問題に特定したプログラムに関しても、率先して計画しています。そのプログラムを通じて、さまざまな医療保険機関に関わっている女性の意識を高める運動をしています。そうした中で扱っている問題は、なんと言ってもHIV/エイズを始めとする感染病の問題です。
日々の仕事の中には、地域の女性委員会の再活性化を図るために、地域の女性組合活動家と3ヶ月に1回の割合で会合を開き、計画されていた活動がきちんと実行されているかどうか検証する作業もあります。地域、地方レベルでそういう活動をしっかり行っていくのが私の仕事です。
さらに、さまざまなレベルの女性委員会から上がってくる報告書をまとめ、広い見地に立っての意思決定を行うために、それを書記長を通じて中央執行委員会に提出し、承認を得ることにしています。
さらに、女性に研究サークルや勉強会をつくるよう促しています。また、共同プログラムを共に運営するために、国内あるいは国際レベルでさまざまな姉妹組合やその他の女性委員会などとネットワークをつくり、そして、共同の活動を行うような関係づくりも行っています。
さらに、幾つか権利擁護のための運動も行っています。この運動は主としてガーナ労働組合会議のほうで組織されていますが、その他の権利擁護団体とも一緒になり、この権利擁護のためのプログラムの展開を行っています。
また、青年労働組合員への働きかけも重要な仕事です。ガーナ労働組合会議に加盟している私どもの組合を代表して、私はこの仕事をすると共に、私どもの組合の青年委員会の代表も行っています。この青年委員会は、さまざまな運動を展開しています。学校においてシンポジウムやスピーチコンテストの開催、あるいは、何か賞をあげるような企画をし、中等・高等教育の学生を対象とした運動を展開しています。
これらのプログラムは、若者に労働組合運動について教育を行うことが目的です。このプログラムは“若いうちに彼らをつかめ” 、という意味の「キャッチ・ゼム・ヤング」というキャッチフレーズで一般に呼ばれています。
また、労働組合内の女性や青年に関するデータ収集を進めています。若い労働者を中心とする委員会を設立する動きが、組合のあらゆるレベルで進行しているところです。こうしたプログラムは特に若者を対象としたものですが、目的は、労働組合に対する若者の関心を高めることです。
また、所得を生むベンチャービジネスの開始も女性に奨励しています。所得を生むためのベンチャービジネス、あるいは、何か運動によって、それぞれの委員会の活動資金だけでなく、その組合の活動費も生んでいます。
最後に、全国女性コーディネーターはガーナ労働組合会議だけでなく、全国的な加盟組織の中に設置されていますが、これは正に新しい現象であると申し上げたいと思います。大変難しい仕事ですが、そこから学んだ教訓により、女性を労働組合運動の最前線に立たせるという一番大きな目的の達成に向けて、努力しているところです。