2009年 中央アフリカの労働事情

2009年1月28日 講演録

中央アフリカ労働組合同盟(USTC)
オルガ・ジゼル・ゴンディー

女性教員労働組合書記兼USTC女性委員会委員長

 

1. 労働情勢

 労働運動は組合員の生活・労働環境の向上及び精神的サポートを目的とする。すなわち、労働組合の取り組みの核となるのがディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)である。このディーセント・ワークを中心として、雇用、賃金、安全衛生等の労働条件の改善に向けて取り組むのである。USTCは中央アフリカでこうした理念に立ち、ダイナミックなパートナーシップの精神をもって、これら全ての問題を視野に入れ、闘争を展開している。

2. 現在直面している課題

  • 軍政による危機、暴動や大量破壊による民間部門の停滞
  • インフォーマル・セクターの組織化
  • 政治中心主義から労働者のための活動に重点を置いた労働組合への転換
  • 公共部門での給与支払いの遅れ、それによる組合費徴収の困難

3. 課題解決に向けた取り組み

 USTCは女性労働者と共に女性の自立に向けた活動を展開したが、資金不足から失敗に終わった。USTCは、それでも中央アフリカのような国で雇用を創出できるのは民間部門であると確信している。だからこそ、EUやその他の国々と二国間協議など様々な会議に参加し、経済的パートナーシップの促進に努めている。
ソーシャル・ダイアローグ(労使の社会対話)は、発展には欠かせないすばらしいツールである。労働組合はソーシャル・ダイアローグ・プロジェクト(PRODIAF)の推進者でもある。
USTCにとって人権、特に、労働組合権の確立は自由な労働運動を保証し、企業や国家の不当行為を制限するための最重要課題である。
課題への取り組みの内、幾つかを挙げておく

  • 雇用と教育をマッチングして、雇用を創出する
  • 労働界におけるあらゆる問題について、ソーシャル・ダイアローグを活力のあるものとする
  • 労働規約を遵守することで労働組合の権利に関わる問題の発生を防止する
  • ITUCの方針に沿った運動、組合の統一
  • 停滞気味の民間部門の活性化
  • インフォーマル・セクター(自営業者など公式統計に乗らない部門)の組織化
  • 政治中心主義から労働者のための活動に重点を置いた労働組合への転換
  • 組合費の新しい徴収方法の検討

4. ナショナルセンターと政府の関係

 政府と労働組合の関係に進展はない。政府はパートナーシップを必ずしも尊重せず、労働組合からの強い要請がない限り譲歩しようとしない。
政府は各ナショナルセンターと良好な関係を維持しなければならないことは理解しているものの、現実には難航している。また、労働組合の機能について無知ゆえに誤解が生じ、政治的秩序が不安定となり、無益な摩擦が発生してもいる。

5. 多国籍企業の進出状況

 中央アフリカに進出した多国籍企業は多くない。民間部門の景気が後退局面にあるためである。
農産食料部門にSUCAF(中央アフリカ砂糖)というのがあり、国内での砂糖の製造、流通にあたっている。SUCAFの他に、一つだけ例を挙げると、石油販売についてのTOTAL・ELFがある。USTCが確認したところでは、こうした多国籍企業はそのセクターを完全に支配し、国内の下請け企業もいれず、経営の透明性も持とうとしていない。