モンゴル労使関係・労働政策セミナー

 JILAFは、6月30日と7月1日の2日間にわたり、モンゴル労働組合連盟(CMTU)との共催で「労使関係・労働政策セミナー」を開催した。ウランバートル郊外のCMTU研修施設で行われた同セミナーには、各県組織代表者ならびに各加盟組織リーダー他80人が参加した。JILAFは毎年同国で労使関係のセミナーを開催しているが、今回はじめて参加したとする労働組合リーダーが参加者の多数を占めた。
 初日には、JILAF側から「日本の労使関係と労働組合の役割」について、鈴木現地支援グループリーダー、梅村広報グループリーダーから講義が行われた。この中で、経済成長・投資拡大とともに、雇用拡大・労働条件の確保と社会保障の確立を両立できるかが課題であり、また、わが国は、労使関係に関しては、日本では戦後から今日に至る運動の歴史的経過を基礎とした労使間による生産性三原則が確立され、団体交渉とともに労使協議制が存在することについて共有した。続いて、アルタントゥ使用者連盟アドバイザー、ナランゲレル労働省専門官、アディヤCMTU事務局長のそれぞれから、労使関係の現状と課題に関して、政労使各側からの現状認識や対応等について発表があり、参加者との討論が行われた。参加者からは、政治の不安定さからくる労働基準など国内全土での統一的対応の不安定さや、労働協約締結の困難さ等の現状について発言があった。
 続く2日目のセッションでは、午前に「現在検討中の社会保障制度改革案」(ゲレルマー社会保障庁)、「生産性向上と公正分配」(エンフズル・モンゴル生産性センター部長)、「現在の労働法改正の検討状況」(オトントンガラCMTU副会長)、「労働法の適用状況と遵守のための査察」(エルデネトゥス国家特別調査局労働社会保障部長)のそれぞれについて講義が行われた。この後、労使関係に係わる課題とその克服についての事例研究として、鉱工業労働組合、テレコミュニケーション労働組合、地方公務労働組合、セメント労働組合のそれぞれから、労働協約締結や安全衛生の取り組みについて発表が行われた。
 午後のセッションでは、午前中までの講義や報告をふまえ、参加者が4グループに別れたディスカッションが行われた。各グループのテーマはそれぞれ、①労働価値、②労働安全衛生、③生産性向上運動、④労働法と現状との乖離と設定され、各グループから現状をふまえた労働組合の今後の取り組みの方向性についてのまとめが発表された。これに、アディヤCMTU事務局長、鈴木グループリーダー、梅村グループリーダーそれぞれから適宜コメントが付された。閉会では、アムガランバータルCMTU会長から、「市場経済への移行過程においては、闘争も必要ではあるが労使で協力して困難を克服する考え方も必要」との総括があり、セミナーが終了した。
 モンゴルは、2000年代初頭に、鉱物の輸出の伸びを背景とした高い成長を見せ、現在も成長し続けているが、ここ数年成長が鈍化している。一方で、外国資本の流入も社会続く。旧社会主義国の流れを汲むモンゴルにおいて、CMTUは同国における唯一の労働組合ナショナルセンターであるが、各組合は使用者との新たな労働協約の締結に苦労しているばかりでなく、組織人員の減少も続いている。経済システムの移行の過程に伴って、未成熟な労働・社会保障関係法令の見直しが続けられており、同組織も積極的に関与し続けている。

日程

月日内容
06月30日セミナー1日目
07月01日セミナー2日目

参加者の様子

政府社会保障労働省・経営者団体

生産性本部・リラックスストレッチング

グループワーク

梅村グループリーダー・総括

アムガランバータル会長

参加者全員で記念撮影