第2回労使紛争未然防止セミナーを開催

 国際労働財団(JILAF)は9月18日、東京ベルサール九段で、タイ、バングラデシュの労働組合指導者と経営側トップリーダーを招き、「海外労組トップリーダー・経営者団体に聴く!~アジアで増大する労使紛争を未然に防止するために~」をテーマに、昨年に引き続いて第2回目の労使紛争未然防止セミナーを開催し、労働組合、企業、行政、研究者、学生など98人が参加した。
 開会冒頭、JILAF南雲理事長は「タイ、バングラデシュ共に政権交代にあたり内紛が続き、タイでは軍隊が出動、戒厳令がしかれるなどの事態の中で、どのように労使紛争未然防止に向けた取り組みが行なわれているのか。また、バングラデシュは、大規模なビルの崩壊事故で、多くの方が犠牲になる中で行なわれた労使の取り組みなどの報告があると聞いている。進出する側の日本企業、そして日本の労働組合が進出先で、建設的な労使関係構築に向け、いかにかかわりを持てるかがお互いの中長期的な発展につながるものと考える。本日のセミナーを通じ、参加いただいたみなさんとともに考え、理解を深めていきたい。」と挨拶をした。

 次にJILAF團野専務理事が、「変貌するアジアと労使関係の課題」をテーマとした課題提起を行ない、グローバル市場経済の拡大に伴う世界的な構造変化と、変化に伴うアジアへの影響と日系企業の関係性、建設的な労使関係構築の必要性などを説いた。
 続いて、タイ国営企業労働連盟(SERC) 前事務局長・コムサン氏より、タイの国営企業労働運動の歴史を、タイ国の歴史とともに、特に政治体制が労働組合の運動あるいは存続に関わる部分に言及しつつ、現在もそれが続いている現状が報告された。
 次にタイ産業労働組合連合CILT暫定代表、タイ電子・電機機器・自動車・金属労働組合総連合会TEAM事務局長ヨンユット氏から、タイ全体の就労状況や組織実態、タイ国が抱える問題点、特にインフォーマルセクター労働者(労働力人口の3分の2)の増大に伴う課題と組織運営の難しさ、発生する労使紛争の実態と対応事例などが報告された。
 その後、バングラデシュよりITUCバングラデシュ協議会のレポン氏から、労働市場と組織率等の報告、労使紛争の実態と労働法改正に伴う問題点、過酷な労働条件(特にアパレル関係)と職場環境などが報告された。また報告のなかで、ラナプラザの崩壊による労働災害実態を映像で紹介し、安全、職場環境改善の取り組みが、労使関係の改善に寄与した事例も報告された。
 現地報告の最後として、バングラデシュ経営者連盟(BEF)事務局長ファルーク氏から、経営者連盟の立場での労使紛争、労使関係の改善に向けた取り組み報告と、日系の企業に対する期待が表明された。そして、ラナプラザでの労働災害を含むいくつかの災害事例と、それに対する労使での取り組みが報告された。
 その後、会場からの質問に移り、ラナプラザの悲惨な事件に対する質問、今後の労使関係をどのように構築したいか、日本の労使関係についてどう見るか等の質問があり、それぞれ各国代表から回答を行った。
 最後に、各国報告を踏まえ、團野専務理事から労使紛争を未然に防止するために、今後も建設的な労使関係を構築する事の必要性と、JILAFとして今後もこの活動に力を入れていく事をまとめとして、セミナーを終了した。

当日資料
講演録

南雲理事長が開会あいさつ

團野専務の課題提起

タイ国営企業労働連盟(SERC) コムサンさん

タイTEAM事務局長ヨンユットさん

ITUCバングラデシュ協議会レポンさん

バングラデシュ経営者連盟(BEF)事務局長ファルークさん

会場からの質問に聞き入る登壇者

JILAFタイ事務所関口所長

南雲理事長と登壇者4人