タイ労使関係・労働政策セミナー(6月)

セミナー来賓の政労使代表

 国際労働財団(JILAF)は、ITUCタイ協議会(TC;SERC、LCT、TTUC、NCPEにより構成)との共催のもと、タイ産業労働組合連合(CILT;TEAM、ALCT、ICEM、TWFTにより構成)からも一部参加を得つつ、「労使関係・労働政策セミナー」をバンコク近郊で開催した。

 6月21日~22日、111名の参加を得て開催された同セミナーは、「経済社会の発展と労働運動の社会的役割」を主要テーマに設定し、アセアン経済共同体(AEC)の発足を目前に控えたタイ社会経済等の状況やグローバル化に伴う労働組合の役割などについて、各組織の組合リーダーや政府(労働省)、使用者団体他を交え幅広く論議した。

 JILAFからは、「経済社会の発展と労働運動の社会的役割」と題し、①グローバル化がもたらすアジアの変化やタイの立ち位置(ASEAN10に加え、インド、ネパール、バングラデシュ、パキスタン他巨大な潜在的経済圏の中心国の一つ)、②取り巻く環境変化の本質を捉えたグローバル化への対応と今後のすすむべき針路、③前近代、近代、現代社会が混溶する環境下での均一性の消滅と格差拡大/組合の役割、④社会経済の発展と国民生活改善に向けた労働運動/指導者が果たすべき責任、⑤労働の高度化と企業(成長)成果の公正な労働分配――などの視点を課題提起した。

 次に政労使代表をパネリストに迎え、「タイにおける経済社会の発展と労働運動の社会的役割」をテーマに相互論議を展開した。政府側パネリストより、現下の国家平和秩序維持評議会の取り組みならびにタイ労働運動への期待等に関する言及があったのに続き、その他パネリストより、日本の労使慣行、建設的労使関係への賛意などが寄せられた。会場参加者からは、①タイ・インフォーマル経済とインフォーマルセクター労働者、②多様化する雇用形態と不安定雇用、③定年制度と年金、④現場労使関係の不安定化、⑤14ナショナルセンターの糾合・統合の困難性、⑥越境不法滞在労働者――などの課題に対する意見・要望等が提起されたため、各パネリストより適宜見解等をコメントした。

 セミナー2日目には、タマサート大学サックディナー教授より、「グローバリゼーション/AEC:労働運動の役割」との題目で講話があり、現下の政治情勢に対する見立ておよびAECにより自由貿易化される農産物他、優先9分野の段階的自由化に伴う懸案などが、学識経験者としての立場から述べられた。また、組合がグローバル経済に対峙するには、①タイ労働運動の集約(ワンナショナルセンター化)ならびに組織化・組織拡大の促進、②人材育成を通じた組織能力強化、③組合相互扶助制度の確立、④企業別組合の交渉能力強化と労使対等自治の促進――などが肝要としつつ、闘争中心型運動から対話中心型運動への転換の必要性などが説明された。

 最後に前述の講演、パネルディスカッションを踏まえ、「タイにおける建設的労使関係の構築」/「組合運動の結集に向けた戦略づくり」に向けた行動計画の作成・発表が行なわれ、参加者からは、ワンナショナルセンター化に向けた具体的年間計画や組合費設定のあり方、産別・単一労組の任務と役割等にかかる行動計画の発表があった。

日程

月日内容
06月21日労使関係・労働政策セミナー1日目
06月22日労使関係・労働政策セミナー2日目

参加者の様子

JILAFによる講演のようす

パネルディスカッションのようす

参加者による質疑

タマサート大学教授による講演のようす

行動計画づくりのようす

行動計画を発表する参加者