バングラデシュ・国際労使ネットワーク等を通じた組織化による草の根支援事業(SGRA)の実施(10〜11月期)

 国際労働財団(JILAF)は2013年10月21~29日、および11月6日〜11日、バングラデシュ・国際労使ネットワーク等を通じた組織化による草の根支援事業(通称:SGRA)のため、事業展開地域であるボグラ、クルナ(10月)、および首都ダッカ(11月)を訪問した。
 バングラデシュでは、学校教育の機会を得られず、基礎的な職業技能を持っていないインフォーマルセクター労働者が多いことから、今年度は職業訓練を中心にボグラ、クルナ、チッタゴンの3ヵ所で事業を展開している。バングラデシュ事業の政策決定を担う推進懇談会第1回会合(今年度5月)で確認し、作業部会が調整を進めてきた、事業参加者を対象とした職業訓練が開始され、10月の訪問では開講式に出席した。
ボグラでは10月24日、クルナでは10月26日に、政府機関である職業訓練庁(Bureau of Manpower, Employment and Training:BMET)が運営する職業訓練校で、縫製、刺繍、運転技術、コンピューター操作、溶接の訓練がスタートし、ボグラで53人、クルナで52人のインフォーマルセクター労働者が受講している。  
 訓練は通常3ヵ月、6ヵ月、1年以上など、長期にわたるものがほとんどであるが、インフォーマルセクター労働者は仕事を長期間休めないことから、BMETと協議し、この事業のため特別に訓練を編成し、職種により30日間、もしくは45日間で訓練を実施することとなった。また、この機会を利用して、地域作業部会との意見交換も行なった。
 現在バングラデシュでは、12月から1月に予定されている総選挙のため、政情が全国的に不安定化しており、ホルタルと呼ばれる野党主導のゼネストが頻発している。バングラデシュの事業展開地域であるチッタゴンでの職業訓練は10月27日に開始予定であったが、10月27日から3日間全国ホルタルが敢行された影響でJILAFからの開講式出席も叶わなかった。しかしその後、ITUC-BCの作業部会、今次より設定された地域作業部会、JILAFの現地コーディネーターが再調整を行ない、チッタゴンでの訓練は10月31日に開始され、47人の参加者がボグラ、クルナと同様の職種で訓練を受講している。
 ボグラ、クルナの職業訓練開講式ではJILAFから、「バングラデシュが社会、経済的に発展するためには皆さんのがんばりが最も大切で、バングラデシュの将来を支える気持ちで頑張って欲しい」と、参加者を激励した。
 本事業では、対象となるインフォーマルセクター労働者の生活の改善のためのライフサポートセミナー(LSS)、SGRAショップや協同組合設立のための指導者を育成するトレーニング・オブ・トレーナー(TOT)、そして職業訓練などのプログラムをバングラデシュの他、タイ、ネパールの3ヵ国で実施しているが、バングラデシュは他国に先駆けて、政府が提供する職業訓練への橋渡し(ブリッジング)が実現したことになる。

 11月の訪問では、11月8日に首都ダッカで開催された第2回推進懇談会会合と11月9日に開催された第4回作業部会会合に出席し、今年度のこれまでの活動の総括と、来年度の事業方針や具体的活動について協議を行なった。
 第2階推進懇談会会合では、今年度実施された事業実績の報告が行なわれ、推進懇談会のメンバーからは、JILAFの協力に対する謝辞が述べられるとともに、今後も継続的に協力体制と関与を強化したいという意思が表明された。さらにJILAFより、次年度の活動方針の骨子案、および活動計画の概要を示した。次年度は、今年度の事業展開をさらに強化しつつ、これまで将来像の一つとして描いていたSGRAショップや協同組合設立に向けた具体的議論を行ない、それに向けた指導者教育も実施していくことを確認した。
 また、第4回作業部会会合では、今年度実施した事業に関して、具体的な改善点を精査し、次年度に向けた、さらなる円滑な運用のための対策について議論を行なった。作業部会メンバーからは、「本事業を通じて具体的な成果が出てきていることを体感している。今後も努力を惜しまず、事業のために献身したい」など、前向きな意見が出された。

日程(10月)
   月日           内容
10月24日 木  ボグラ職業訓練開始、開講式開催
          SGRAボグラ地域作業部会メンバーとの意見交換
10月26日 金  クルナ職業訓練開始、開講式開催
          SGRAクルナ地域作業部会メンバーとの意見交換

日程

月日内容
11月08日第2回推進懇談会会合
11月09日第4回作業部会会合

参加者の様子

刺繍の訓練(ボグラ)

コンピューターの訓練(ボグラ)

ホルタルで交通機関が止まっているダッカ市内(ホテルから)