バングラデシュ・国際労使ネットワーク等を通じた組織化による草の根支援事業(SGRA)の実施(4~5月期)

 厚生労働省からの受託により開始した「国際労使ネットワーク等を通じた組織化による草の支援事業(SGRA)」は、2013年4月に3年目を迎えた。
 この事業は、現地の政労使、国際労働機関(ILO)などが力をあわせ、教育支援や職業訓練などの人材育成を行ない、低所得者、女性をはじめとした公的サポートの行き届かない人々やインフォーマルセクター労働者の生活向上と底上げを図ることを目的としており、インフォーマルセクター労働者やその家族を対象とした職業訓練やセミナーを、ネパール、タイ、バングラデシュの3ヵ国で実施している。
 バングラデシュでは、基礎的な職業技能を持たず、学校教育の機会を得られなかったインフォーマルセクター労働者が多いことから、職業訓練を中心に事業を展開している。さらに、社会保障制度、家計改善、互助制度などについて情報を提供する生活支援セミナーであるライフサポートセミナー(LSS)も併せて展開しており、ボグラ、クルナ、チッタゴンの3ヵ所で実施している。
 事業展開にあたっては、バングラデシュ労働雇用省、ITUCバングラデシュ協議会(ITUC-BC)、バングラデシュ使用者連盟(BEF)による現地の政労使、ILO、バングラデシュの14の主要な労働組合が設立した訓練・研究機関であるバングラデシュ労働研究所(BILS)で構成される推進懇談会(RT)、労働組合のみで構成される作業部会(WG)、さらに、今年度より新たに設置した地域作業部会(WRG)が事業の主軸を担っている。
 今年度の事業開始にあたり、4月4~11日にダッカを訪問し、作業部会を開催し、今年度事業の柱である、政府やNGOによる既存の職業訓練への橋渡し(ブリッジング)に向けた事前調査などについて協議・確認した。
 さらに、5月25~26日に再度ダッカを訪問し、バングラデシュ事業の政策決定を担う推進懇談会第1回会合と、推進懇談会の決定に基づく事業展開を行なう作業部会第2回会合を開催し、JILAFをはじめ、ITUC-BCや労働雇用省などから労働関係者16人が参加した。5月の会合は、今年4月に実施した職業訓練ニーズ調査報告、および年間活動計画に関して論議・確認することを目的として実施した。 
 第2回作業部会では、職業訓練ニーズ調査結果が、各種訓練の実施にあたり適切に反映されているかなどの確認が行われた。当初案では、主に女性を対象とする縫製、手工芸訓練、男性を対象とする携帯電話・コンピュータ修理訓練が設定されていた。しかし、作業部会で、[1]縫製と手工芸品製作は異なる職業であり、別々の職業訓練プログラムが必要[2]就職先を見つけやすいスキルとしては、縫製、手工芸、コンピュータ(基礎)、運転、溶接、電気配線[3]ニーズに合わせてボグラ、クルナ、チッタゴンで各3~4種類の職業訓練プログラムをカスタマイズし実施したほうが良い――などの意見・要望などが出された。そのため、訓練職種、期間、人数などの微修正を図ることとした。
 第1回推進懇談会会合では、第2回作業部会での論議・確認を元に、JILAFより2013年度の年間活動計画を提案し、相互論議をふまえ意思統一を図った。主な内容は、[1]職業訓練には180人が参加する(90人は2012年度ライフサポートセミナー(LSS)受講者、90人は2013年度新規LSS受講者とし、受講者の選定は作業部会が厳格に行なう)[2]職業訓練内容は、縫製、手工芸、コンピュータ(基礎)、運転、溶接、電気配線とする(各地域3~4種類の職業訓練にまとめる)[3]2012年度職業訓練修了生は、原則上級コースを受講する[4]LSSは、ボグラ、クルナ、チッタゴンの各地域で1回ずつ実施し、各セミナーの参加者は30人とする[5]職業訓練に関しては、各地域に地域作業部会を設置し、ITUC-BCがモニタリングの責任を負い、BEFは訓練後の就労支援を行なう。労働雇用省は、就労支援および追加的な職業訓練機会を提供する[6]各地域で、政府系職業訓練所を管轄する人材雇用訓練局(BMET)との協力体制を構築する――などが確認された。

■日 程 
【4月期】
4月5日(金) 第1回作業部会、ITUC-BCとの打ち合わせ
4月6日(土) BILSとの打合わせ
4月7日(日) BEFとの打合わせ

日程

月日内容
05月25日第2回作業部会
05月26日第1回推進懇談会

参加者の様子

職業訓練について説明を聞く参加者

クルナの職業訓練所・溶接の様子

クルナの職業訓練所・座学の様子