第3回労使紛争未然防止セミナーを開催

 国際労働財団(JILAF)は、2015年12月17日、東京でカンボジア、フィリピンの労働組合と経営側のトップリーダーを招き、無用な労使紛争を未然に防止するための対策等を検討・議論するため当セミナーを開催した。当セミナーには、労働組合、企業、行政、研究者、学生など81人が参加した。
 主催者を代表し、南雲理事長は「海外に進出する日本の企業、労働組合が、建設的な労使関係構築に向けて現地労働組合と労使間での相互理解を深める事が重要だ。今回カンボジアとフィリピンの労使代表にお越しいただき、双方の立場から率直なご意見をいただき、日本企業、そして日本の労働組合が進出先で、建設的な労使関係構築に向け、いかにかかわりを持てるか、本日のセミナーを通じ、参加いただいた皆さんとともに考え、理解を深めていきたい。」とあいさつをした。
 次にJILAF齋藤副事務長より、議論の進め方を提起した後、コーディネーターの塩田事務長がカンボジア・フィリピン両国の情勢概要を説明し、各国労使の報告が行われた。
 まず、ITUC カンボジア協議会(ITUC-CC)加盟のカンボジア労働総連合(CLC)法規コーディネーター・プレット・ソウオト氏より、労働関係法規を遵守しない経営者が存在する事や、紛争解決に時間がかかることの問題点などの報告がされた。次いで、カンボジア使用者協会ゼネラルマネージャー・ダン・エンカカダ氏と、カンボジア縫製業協会(GMAC)法規・労働マネージャー・キム・ピッチダ氏より、使用者の立場から労使紛争が生じた際の解決に向けた手続きと、同一企業内に複数労働組合が存在することが解決を困難にしている大きな要因である、などの報告がされた。
 続いて、フィリピン労働組合会議(TUCP)会長ルーベン・トーレス氏より、フィリピンにおける労使紛争の現状と、フィリピンで160万人の雇用を生んでいるBPO(業務のアウトソーシング)労働者が、多くのストレスを抱えていることなど、具体的課題が報告された。次いで、フィリピン経営者連盟(ECOP)調査研究・政策局シニアマネージャー、ロメオ・ガルシア氏より、フィリピンにおける労使紛争解決の仕組みと、解決に向けた使用者の取り組みなどが報告された。
 両国の報告の後、会場参加者との質疑・意見交換がされ、最後に、安永専務理事から労使紛争を未然に防止するために、今後も建設的な労使関係を構築する事の必要性と、JILAFとして今後もこの活動に力を入れていく事をまとめとして、セミナーを終了した。

JILAF南雲理事長開会あいさつ

カンボジア労働総連合(CLC)法規コーディネーター、プレット・ソウオト氏

カンボジア使用者協会ゼネラルマネージャー、ダン・エンカカダ氏

カンボジア縫製業協会(GMAC)法規・労働マネージャー、キム・ピッチダ氏

フィリピン労働組合会議(TUCP)会長、ルーベン・トーレス氏

フィリピン経営者連盟(ECOP)調査研究・政策局シニアマネージャー、ロメオ・ガルシア氏