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No.481(2017/11/2)
アマートロン・フィリピン(株)は労働組合を結成したところ、532人の活動家と組合員を解雇した

 組合員はインダストリオールに加盟するALU(Associated Labour Union)のメンバーで、アマートロン社(Amertron)は半導体およびオプトエレクトロニクスを生産し、その製品は、スマートフォン、自動車産業および航空機に使用されている。同社の主な顧客には、Hewlett-Packard、Siemens、Osramなどで、マレーシアの親会社イナリ社(Inari Amertron Berhad)は、マレーシア、フィリピン、中国に生産拠点を有している。

 アマートロン社はフィリピンのクラークとパラニークに2工場があり、パラニーク工場は1988年から稼動し、約700人(内約550人が女性)が雇用されている。2012年にクラーク自由経済特区内にクラーク工場が開設され、約2,000人の労働者が雇用されている。

 パラニーク工場では低賃金問題が継続課題となっており、大多数の労働者は勤続10年以上なのに、日給は10ドルにすぎない。何とか改善をと、アマートロンの労働者は、2017年1月に労働組合UAO(United Amertronians Organization)を結成した。ところが6月に同社は2019年までにパラニーク工場を閉鎖し、120km先のクラーク工場のより近代的設備に生産を移管する意向を発表した。

 パラニーク工場の労働者は、クラーク工場に転勤するか、またはフィリピンの労働法に沿った標準的な退職パッケージを受け入れるか選択することが求められた。

 7月、UAOはALUに加盟し、登録書類を労働雇用局に提出した。UAOは交渉力を強化し、公正な解雇パッケージを達成するために、8月15日、労働雇用局に唯一の交渉代理人として認めるように要請した。

 この時点より、同社は組合役員および組合員に嫌がらせを始めた。労働者は、1人1人呼び出され、労働組合を離脱しなかった場合、ブラックリストに載せ、退職金を失うと脅された。組合役員には組合を離れるよう賄賂が持ちかけられ、組合のチラシを配布した2人の役員は出勤停止となった。

 労働組合が不当な労働慣行と労働組合潰しに苦情を労働雇用局に申し立てたが、同社は労働組合員の大量解雇で応えた。9月21日と22日に約300人の労働者が解雇された。同社はこれをクラーク工場に移管することによると主張しているが、その移管は2019年に完了する予定になっている。パラニーク工場での生産は、解雇された組合員を代替する派遣会社からの労働者で行われている。

 同社は現在、職場へ入ることを拒否された合計532人の組合員を解雇した。労働者は会社の敷地外で定期的な抗議活動を行っている。

 インダストリオールのサンチェス書記長は、アマートロンCEOに次の書簡を送った。
 「私達は、労働条件を改善するため結成しようとしている労働組合に対し、アマートロン経営陣による厳しい威嚇や嫌がらせで労働組合権の大幅な侵害を知り、非常に懸念し、憤慨している。労働者の権利を尊重するようALUの呼びかけに耳を傾けるどころか代わりに、御社の子会社はすべての組合役員および組合員に解雇通知を出し、工場が閉鎖されたと言って突然労働者が構内に入ることを禁じました。
 従って、私は、御社が不当に解雇した組合役員および組合員を直ちに復職させ、労働者への嫌がらせをやめ、団結権と団体交渉権を尊重するよう強く要請します」

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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